自治労栃木県本部2019春闘方針および当面の闘争方針

 

  T 情 勢

 

1.経済と雇用をめぐる情勢

内閣府が1210日に発表した7〜9月期のGDP(2次速報値)は、実質GDPが年率換算で前期比2.5%減と大きなマイナス幅となりました。12月の月例経済報告では、国内景気の基調判断を12ヵ月連続で「緩やかに回復している」としつつも、先行きについては米中間など通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとしています。一方、労働分配率は低下を続け、実質賃金も横ばいとなっており、個人消費については上向き感が見られるものの、回復にむけた勢いは依然として見られません。こうした状況から、アベノミクスの限界は明らかです。

  厚生労働省の毎月勤労統計(201810月確報値)によると、現金給与総額は前年同月から1.5%増(一般労働者1.7%増、パートタイム労働者2.1%増)、常用雇用は前年同月に比べ1.1%増(一般労働者0.4%増、パートタイム労働者2.9%増)となり、労働者全体としては2018年1月以降いずれの月も伸び率が高い状態が続いています。しかし、本調査は2018年に入って調査対象となる事業所群を入れ替えるなど調査手法を見直したことから、実際には統計ほど賃金は増えていないという指摘もあります。また、不適切な調査方法がこの間明らかになっており、調査自体の信頼性も揺らいでいるといえます。

また、10月の有効求人倍率は前月とほぼ同水準の1.62倍で、1974年以来の高水準となっており、企業の強い人手不足感により正規・非正規ともに求人が増加し続けています。

労働基準法の改正による時間外労働の罰則付きの上限規制については、公務においても、2019年4月からの導入にむけ、超過勤務命令の上限を定める人事院規則が2月1日に公布され、地方公務員についても条例・規則等により措置することが必要です。総労働時間縮減のために連合では36協定締結の取り組みを徹底するためのキャンペーンとして「Action36」を行っており、公務を含むすべての職場で36協定の点検や見直しに取り組むことが必要です。

  また、2020年4月に会計年度任用職員制度が導入されることから、自治体職場における不合理な格差の是正のため労使交渉・協議に全力で取り組まなければなりません。

 

U 2019連合春闘のポイント

1.2019連合春闘の基本的考え方

 「国民生活の維持・向上をはかるため、労働組合が社会・経済の構造的な問題解決をはかる『けん引役』を果たす闘争」とし、「人的投資の促進」、「ディーセントワークの実現」、「包摂的な社会の構築」、「経済の自律的成長」をめざすとしています。

 「賃金の『上げ幅』のみならず『賃金水準』を追求する闘争を強化していく」とともに長時間労働の是正や個々のニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整えるなど、「すべての労働者の立場にたった働き方」の実現を進めることとしています。

()賃金の「上げ幅」のみならず「賃金水準」を追求する闘争の強化

 月例賃金の引き上げにこだわり、賃上げの流れを継続・定着させる。とりわけ、中小組合や非正規労働者の賃金の「底上げ・底支え」「格差是正」のため、働きの価値に見あった賃金の絶対額にこだわり、名目賃金の到達目標の実現と最低到達水準の確保(=賃金水準の追求)に取り組む。賃上げ要求は2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持分)を含め4%程度とする。

()「すべての労働者の立場にたった働き方」実現への取り組み

 長時間労働の是正や「同一労働同一賃金」の実現は産業全体として実現したい姿を共有した上で進めることが重要。あわせて非正規労働者の雇用安定、ワーク・ライフ・バランスの実現にむけた取り組みも必要。

 

  V 自治労春闘の位置づけ

1.自治労春闘の意義

自治労はこれまで春闘期の中心的課題を賃金改善に置きながら、その時々の情勢と運動の節目に応じて、公務員の権利確立、週休二日制導入などの勤務時間の改善、行革への対抗措置、地方財政の確立などについても重点課題に設定してきました。

自治労にとっての春闘は、地域公共サービス労働者の賃金改善と同時に、質の高い公共サービスの実現をめざした政策・制度の実現と、地域労働者全体の生活環境の底上げをめざしたものと位置づけることができます。さらに、地域住民に対し、公共サービスの拡充の必要性や意義をアピールする取り組みを展開することにより、良質な公共サービスの構築と労働者の処遇改善についての社会的合意の形成を、春闘期の目標に設定してきました。

春闘の課題を含め、どのような課題であっても、要求−交渉開始後に直ちに解決できるものではなく、交渉の積み重ねが不可欠です。

まずは春闘期において、1年間の各種闘争スケジュールを組織全体として確認するとともに、多くの組合員参加の下で、単組における課題の洗い出しと把握、要求設定と労使交渉・協議を進めます。これらの取り組みを進めながら、春の段階における課題の解決をめざし、健全・安全で働きがいのある職場づくりと組織の強化につなげます。

 

2.自治労における1年間の主な統一闘争

 @ 賃金闘争=年間を通じた賃金・労働条件改善の取り組み

  春闘期(2月〜4月):確定期の積み残し課題の解決、賃金実態や職場の問題点の点検、民間労組職場の賃金決着と地場・民間中小労組の交渉支援

  人勧期(6月〜8月):人事院勧告にむけた人事院・各人事委員会交渉

  確定期(9月〜11月):賃金・労働条件改善にむけた各単組交渉ヤマ場

 A 現業・公企・公共民間統一闘争

  第1次闘争(2月〜6月):職場点検と職場オルグ、統一要求書の提出・交渉

  第2次闘争(9月〜10月):骨太方針等を踏まえた要求書等の再点検と住民アピール、交渉と到達目標の達成

 B 男女平等推進闘争

  春闘期(2月〜3月):男女平等やワーク・ライフ・バランスの視点に立った職場点     

  検

  男女平等推進月間(6月):政策要求を含めた要求書提出・交渉

 

3.闘争を進めるための労使関係ルールの確立

使用者には、労働者の代表者と誠実に交渉にあたる義務があります。つまり、使用者は、組合の要求や主張を単に「聞きおく」だけでなく、それら要求や主張に対し、その具体性や追求の程度に応じた回答を行い、必要に応じて、回答の論拠や資料を提示する義務があるとされています。しかし、特に公務職場においては、当局が管理運営事項を拡大解釈することによって交渉が進まない事例も多く報告されています。一方で、健全な労使関係の下においては、職場の問題を幅広く取り扱う労使間の協議が、組合員の労働環境の改善にとどまらず、地域の公共サービス全般の維持・向上に資することも可能となります。

そのため、春闘期に、年間を通じた交渉・協議の基本的なルールや取り扱うテーマについて労使で確認し、健全な労使関係を構築することを、産別統一の闘争テーマとして、再度、位置づけます。

 

4.春闘とともに進める組織強化

「組合活動は、となりの人に声をかけること」

「機関紙は組合費の領収書」

県本部・単組は、ふたつの合言葉を実践し、組合員に顔の見える運動に取り組みます。県本部は、組織運営方法の支援、機関紙発行の支援を行うなど、単組に並走した活動を行います。

単組役員は積極的に組合員に声をかけることで、職場の課題を収集し、要求―交渉―妥結につなげます。そして交渉内容などは、職場集会、機関紙などで組合員に周知をし、組合員に顔の見える運動を推進します。また、常に次代の担い手を育成することを主眼に置きながら運動に取り組みます。あわせて、統一自治体選挙での組織内および推薦候補、第25回参議院選挙における比例代表選挙での「岸まきこ」、栃木選挙区「加藤千穂」の勝利につなげます。

 

W 2019春闘の基本設計

【4つの柱】

@ 賃金改善

A 職場からの働き方改革と人員確保

B 臨時・非常勤等職員の処遇改善

C 安心してくらし続けられる地域づくり

 

1.賃金改善

() 自治体単組

「春闘=1年の賃金・労働条件闘争のスタート」であることを労使確認し、「要求−交渉−妥結(書面化・協約化)」のサイクルの定着をはかります。

民間春闘の結果が公務における人勧・確定期への闘争につながっていくことから、官民一体となった地域の底上げ、中小・地場賃金の底支えをしていくため、中小・地場労組支援を積極的に取り組みます。

連合の掲げる「底上げ・底支え」「格差是正」の要求が2%程度であることを踏まえ、人勧期・確定期までを見据えた賃金改善をはかります。

具体的な賃金要求・運用改善につなげるためには、単組ごとに昇給・昇格ライン(賃金カーブ)の実態を明らかにすることを追求します。

人事評価結果の賃金への反映については、労使合意に基づかない賃金への反映は行わないことを徹底するとともに、賃金への反映を行う場合には、人材育成や長期的なモチベーションの向上も踏まえて対応することを基本に、上位昇給区分の原資を活用した賃金水準の確保などをめざします。

公務員賃金水準の改善のため、以下の通り設定します。

到達目標(ポイント賃金)

30歳 248,775

(国公行()3−14水準、249,600)

35歳 293,807

(国公行()3−40水準、294,300)

40歳 343,042

(国公行()4−43水準、344,800)

 上記の到達目標は、2017年実施の賃金実態調査を基準に、賃金PT報告に基づく算出方法により設定しています。具体的には、2006給与構造改革により引き下げられた4.8%と、2015給与制度の総合的見直しにより引き下げられた2.0%を加えた6.8%に、2017年度賃金実態調査における実在者中央値を乗じて算出しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@ すべての単組が到達すべきポイント賃金を基本に、賃金要求基準を設定します。

 A 初任給改善(国公8号上位)、人材育成を目的とした人事評価制度の構築を求め上位昇給(8号5%・6号20%原資の確保)の活用、高年齢層における昇給の確保などを目標とします。

 B ラスパイレス指数100に到達していない単組においては、「ラスパイレス指数100を最低水準」とする20182019運動方針を踏まえ、「ラス逆数」から算出した率を運用改善の具体的目標に設定するなど、運用の改善による賃金水準の維持・向上をめざします。

 C 賃金改善にあたっては、係長・同相当職の4級到達、課長補佐・同相当職の6級到達という指標により対応することを基本に、労使合意による制度の継続・改善を求めます。

 D 昇給の運用については、十分な労使交渉・協議により決定することを求めます。とくに50歳台後半層についてはモチベーションの維持・向上にむけ、少なくとも標準で2号以上の昇給、また号給の延長などを求めます。

 E 人材確保の観点からも、初任給の引き上げを求め、国公行()の初任給基準の8号上位(高卒1級13号、大卒1級33号)をめざします。

 F 時間外勤務45時間超、60時間以下の賃金割増率の見直しを求めます。

() 公共サービス民間労組

賃上げ要求は、2019連合方針を踏まえ、「賃金カーブ維持相当分4,500円+賃金改善分6,000円」の10,500円以上を要求の基準とします。

2019春闘において掲げる自治体最低賃金(月額158,300円以上、日給7,920円以上、時給1,030円以上)の確保をはかります。

() 全国一般など

賃上げ要求は、全国一般2019春闘調査をもとに、連合および中小共闘の賃金引き上げ要求を踏まえ、「平均賃上げ要求13,500円以上(賃金カーブ維持分4,500円+生活維持・向上分7,200円以上+格差是正・歪み是正分1,800円)」とします。

公営競技労働者の雇用の確保と賃金・労働条件の改善にむけ、本部・県本部・単組が連携し取り組みを進めます。

 

2.職場からの働き方改革と人員確保

22年連続で減少した地方公務員総数は、2017年より全体として増加に転じていますが、この間の人員削減により現場は限界に達しています。通常業務に関しても十分な体制が確保されない中で、この間の相次ぐ自然災害対応により長時間労働などの問題も引き起こしています。緊急時における体制の確保を含め、公共サービスの維持・提供のために必要な人員確保・増員を求めていく必要があります。

2018年6月に働き方改革関連法が成立し、労働基準法の改正により時間外労働の罰則付きの上限規制が2019年4月(中小企業は2020年4月)から導入されます。国家公務員については、改正法の施行にあわせ、超過勤務命令の上限が人事院規則で定められたことから、地方公務員においても条例・規則等により措置することが必要です。

男女がともに働き続けられる職場環境を確立するため、ワーク・ライフ・バランスの視点を重視し、引き続き、自治労は、年間総労働時間1,800時間の実現をめざします。働く者の立場から働き方改革を推進し、時間外労働の縮減、36協定の点検・締結、業務のあり方の見直し、人員確保などに取り組みます。

単組は、職場からの働き方改革と人員確保にむけ以下に取り組みます。

 @ 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」、本部作成の「適正な労働時間管理のための職場チェックリスト」を踏まえ、労使交渉・協議と合意により、労働者の始・終業時間や休日労働の正確な実態を把握できる勤務時間管理体制を構築します。あわせて、必要な時間外勤務手当財源を確保し、全額支給の徹底に取り組みます(不払い残業の撲滅)。

 A 労働基準法第33条第3項に定める「公務のために臨時の必要がある場合」についての厳格な運用を求めます。また、当該規定により時間外労働等を行うことができる場合についても、条例・規則により上限を定めるとともに、36協定または36協定に準ずる書面協定を締結し、時間外労働を縮減します。条例・規則に定める限度時間を超える時間外労働については、業務や職員の範囲に関し交渉・協議を行い、労働協約または書面協定として締結します。

 B 安全・衛生委員会において、時間外労働の実態を報告させるとともに、とくにいわゆる過労死基準といわれる月80時間を超える場合や、時間外労働が常態化している職場については具体的な対応策を示すよう求めます。また、労働時間の短縮に関する年間行動計画の策定を求めます。やむを得ず上限時間を超えて時間外労働を命じた場合の縮減対策の実施と同時に、職員に対する医師による面接指導など健康確保措置の強化を求めます。

 C 職場単位で、勤務時間・時間外労働の実態、年休・代休の取得状況を把握・分析し、業務量や任務分担の見直しを求め、あわせて必要な人員確保に取り組みます。とくに、人員確保闘争にむけて、2〜3月期はチェックリストを活用して職場点検活動を行います。点検活動をもとに、欠員の完全補充と新規採用等の職員採用の実施、希望者全員の再任用の実施などについて、要求書を作成します。

 D 総労働時間縮減の観点から、連合「Action36」に積極的に参画するとともに、36協定を点検(休日労働の抑制、限度時間を超える場合の健康確保措置、過半数労働組合・代表者のチェック、36協定の周知状況)し、点検を踏まえた見直しに取り組みます。36協定締結義務のない職場においても、単組は36協定に準じた書面協定の締結に取り組み、遵守を求めます。運動の推進にあたっては、本部作成の「36協定のてびき」(公務のための「0からはじめる36協定」)を活用します。

   上限時間としては、1日2時間、4週24時間、3ヵ月50時間、年間150時間をめざし、少なくとも改正労働基準法、改正人事院規則に定める限度時間(月45時間、年間360時間)の範囲内とするよう求めます。

 E 年次有給休暇の完全取得にむけ、一層の計画的使用促進に取り組みます。また、育児・介護にとどまらず、治療と職業生活の両立の推進など、労働者のニーズに応じた各種休暇、勤務時間制度の新設・拡充を求めます。

 F 労働者の健康とワーク・ライフ・バランスの観点から、勤務間インターバル制度の導入にむけ、労使協議を行います。

 

3.臨時・非常勤等職員の処遇改善と組織化

会計年度任用職員制度に関し多くの自治体は、条例改正が2019年の2・3月議会、6月議会と想定されます。総務省が今後、会計年度任用職員への移行準備の状況等に関する調査を踏まえつつ、地方財政措置について検討するとしています。そのため、制度導入にかかる予算措置にむけては、会計年度任用職員の数や給与など各自治体における制度の大枠について、遅くとも2018年度中に決定する必要があることから、2019春闘期における交渉・協議を一層強化、加速させます。交渉においては、当事者である臨時・非常勤等職員の意見を集約しておくことが極めて重要です。

臨時・非常勤等職員組合においては、引き続き当局交渉を強化するとともに、自治体単組との連携をはかります。会計年度任用職員制度のスタートも見据え、要求モデルに基づき、処遇改善・雇用安定にむけて取り組みます。

 

4.安心してくらし続けられる地域づくり

地方自治体には、地域住民が安心して生活できるための、質の高い公共サービスを提供する義務があり、子育て・医療・介護・福祉、地域公共交通など地域で安心して生活するための地域共生社会の拡充が求められています。地域の実情を知る労働組合としても、地域に根差した質の高い公共サービスを実現するために、自治体と連携しながら取り組みます。

 @ 地域共生社会の実現

地域共生社会の実現に必要な地域包括ケアシステムの推進にむけた課題を明らかにしつつ、住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりのくらしと生きがいを地域とともに創っていく社会を 

求めます。

A 子ども・子育て体制の整備とセーフティネットの確立

待機児童の解消や児童虐待等への対応強化を進めるため、公立の幼児教育・保育施設・学童保育、児童相談所・市町村の児童相談窓口等の体制強化を求めるとともに、幼児教育・保育無償化に伴う、課題の解決や実施体制の整備を求めます。また、人員が不足しているケースワーカーの確保や生活困窮者自立支援法に基づく任意事業の実施を求めます。

B 地域医療の確保と充実

地域住民の生活にとって地域医療の充実が不可欠なことから、公立・公的医療機関の再編・統合や病床削減を安易に行わず、地域医療を維持する取り組みを強化します。

 

 X 2019春闘において決着をめざす課題

労使関係ルールの確立

労使交渉・協議のあり方など、年間を通じた基本的な労使関係のルールを確立することを目的とし、全単組で「労使関係ルールに関する基本要求書」の提出を追求します。

 

民間職場の賃金・労働条件改善

2019連合方針に基づき、「賃金カーブ維持相当分4,500円+賃金改善分6,000円」以上の賃上げ要求実現にむけて取り組みます。

秋闘期に妥結する単組についても、必ず春闘で要求書を提出し、交渉を実施します。

働き方改革に基づく時間外労働の上限規制見直し、5日間の年休取得の義務化、月60時間を超える時間外労働への割増賃金率の引き上げといった労働時間法制の改正に対応した取り組みを展開します。

 

会計年度任用職員制度の確立

自治体単組は、自治労本部第91回定期大会・第2号議案に示す妥結基準の到達をめざし、交渉・協議を行うとともに、2019春闘交渉と連動させ、断続的に交渉・協議に取り組み、新制度についての妥結をめざします。予算措置にむけ、少なくとも制度の大枠(会計年度任用職員の数や給与等)について決着をはかります。

県本部・自治体単組は、組織内をはじめとした自治体議員と連携し、引き続き議会対策を行います。

自治体単組は、会計年度任用職員制度の確立とあわせて、2020年4月の新制度スタートを見据えて、現在の臨時・非常勤等職員の賃金・労働条件の改善および継続雇用を求め、要求モデルに基づき、交渉・協議を進めます。

 

時間外労働の上限規制の条例化と36協定の締結および人員確保

@ 上限時間の原則として、限度時間については、1月45時間・1年360時間(労働基準法、人事院規則が定める原則)を超えない設定とします。

A 人事院報告において「他律的業務の比重が高い部署に勤務する職員」について、原則を超えることができるとしていますが、自治体においては、こうした特例を定めないことを基本とします。

なお、やむを得ず@の限度時間を超えて時間外労働させることができる場合を定めるにあたっては、通常予見できない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に労働させる必要がある場合に限ることとし、年720時間、複数月平均80時間以内、1月100時間未満の範囲内での上限設定とします。

B 大規模な災害への対応など公務の運営上真にやむを得ない場合は、@Aの上限を超えることができることとしますが、対象業務については極めて限定的な運用とします。また、上限を超えた場合には、真にやむを得なかったのか事後的に検証を行うことを義務づけ、安全衛生委員会に報告させることとします。

 労働基準法の改正により、罰則付き時間外労働の上限規制が導入されたことを踏まえ、36協定の点検・見直しに取り組みます。36協定締結義務のない職場においても、36協定に準じた書面協定の締結を求めることとし、締結義務職場と同様に点検・見直しに取り組みます。

 なお、締結する上限時間は、1日2時間、4週24時間、3ヵ月50時間、年間150時間をめざすこととし、少なくとも改正労働基準法、改正される人事院規則に定める限度時間(月45時間、年間360時間)の範囲内とします。

 年休付与義務に関する労働基準法の改正が適用となる職員(地方公営企業の職員、現業職員、特別職非常勤職員、民間労働者)の年5日未満取得者を解消します。適用とならない職員についても、法改正を受け、人事院が年休を5日以上確実に使用することができるよう配慮するよう規則改正を行うことにならい、自治体も条例・規則の改正を行うとともに、休暇の計画表の活用、人員増等により、年5日未満の取得者の解消に取り組みます。

 春闘期から人員確保にむけた職場点検に取り組み、点検活動をもとに、欠員の完全補充と新規採用等の職員採用の実施、希望者全員の再任用の実施などについて、要求書を作成します。

 

  Y 取り組みの進め方

春闘のスケジュール

  2月4日の連合2019春季生活闘争・闘争開始宣言中央総決起集会を皮切りに、春闘が本格化します。私たち自治労も、2月6日〜14日の要求書提出ゾーンに、組合員の意見を集約した要求書を提出し、自治労全国統一行動日である3月15日までの決着にむけ、「要求−交渉−妥結(正面化・協約化)」のサイクルを確立し、要求・交渉を実施することを徹底します。自治労315全国統一行動日には、ストライキ(民間)、29分時間内食い込み集会(公務)を基本に、最低でも時間外職場集会やビラ配布行動等を行います。

2月 4日(月)連合闘争開始宣言中央総決起集会

 2月 6日(水)〜13日(水) スト批准投票

 2月 6日(水)〜14日(木) 要求書提出ゾーン

 2月 15日(金) 県本部第1次統一行動日

2月 22日(金) 公務労協2018年公共サービスキャンペーン開始中央集会

3月 4日(月) 連合春季生活闘争・政策制度要求実現中央集会

3月 6日(水) 連合「Action36

 3月 7日(木)〜14日(木) 交渉ゾーン

3月 8日(金) 国際女性デー全国統一行動街頭宣伝・中央集会

3月 15日(金) 県本部第2次統一行動日(全国統一行動日)

3月 29日(金) 県本部第3次全国統一行動日

 

春闘期における全国統一行動指標

 

<2019春闘「3・15全国統一行動指標」>
(1) 公務・公務準拠単組
  @ 積極的な賃金改善をはかること。賃金・労働条件の変更にあたっては、十分な労使協議と合意を前提とすること
  A 臨時・非常勤等職員の雇用の安定と処遇改善をはかること
(2) 民間労組
  @ 組合の要求に基づき賃金改善をはかり、早期に実施すること
  A 非正規労働者の雇用の安定・処遇改善をはかること

 

 

 

 

 

 


3.県本部の取り組み

@ ストライキ批准投票の高率での批准を目指します。

A 「クラシノソコアゲキャンペーン」の取り組みに積極的に参加します。

B 本部作成の地域ビラなどを活用し、地域公共サービス課題について広く世論に訴えるため、2月21日にチラシ配布行動を設定します。

C 学習会の開催、単組オルグ、交渉への参加などを行います。

D 単組における春闘の妥結結果・取り組み結果を集約し、今後の取り組みに活かします。

 

4.単組の取り組み

@ ストライキ批准投票を高率で批准するよう取り組みます。

A 「自治労3・15全国統一行動」の戦術は、ストライキ(民間)、29分時間内食い込み集会(公務)を基本に、最低でも時間外職場集会やビラ配布行動等を配置しながら、当局に回答を迫ります。

B 自治体単組、公共民間単組、全国一般単組は、相互に支援・連携をはかり、共闘を進めます。

C 「公共サービスキャンペーン」の取り組みに積極的に参加します。

D 公共民間単組と全国一般単組は、要求書提出を2月末、回答を3月末とする統一闘争の確立をめざします。

E 県本部とともに、公務労協主催集会をはじめとする各種集会に積極的に参画します。

F 県本部の設定する地域公共サービスにかかるチラシ配布行動に積極的に参加します。

G 会計年度任用職員制度の確立にむけて交渉・協議に取り組みます。

 

Z 当面の闘争方針

1.職場の権利と勤務条件を確立する取り組み

(1) 人員確保

各単組は、人員確保について、春闘期に取り組みます。本部作成の『職場の人員足りてますか?』チェックシートを活用して、職場(課、等)単位で人員要求を積み上げ、要求し当局交渉を行います。

(2) 定年引上げに向けた取り組み

  人事院が2018年8月に行った「定年の段階的な引上げのための意見の申出」について、速やかに政府において検討を進め、着実かつ確実に実施されるよう、本部に結集します。

 地方公務員の定年引き上げについては、論点整理において、「組織の規模、職員の年齢構成、財政状況などは地方公共団体ごとに様々であることから、各地方公共団体の実情も踏まえつつ、国家公務員との均衡等を勘案し、今後検討する必要がある」とされており、自治体ごとに組織構造が違うため役職定年や新規採用の確保などに留意が必要なことから、総務省に対して自治労および地方自治体の意見を十分踏まえた上で、国に遅れることなく定年を引き上げるよう本部に結集します。

 定年引き上げ実現までの間は、フルタイムを基本とした再任用制度を確立・運用し、再任用を希望する定年退職者全員の雇用確保と労働条件の改善を求めます。

(3) 佐野市民病院闘争

佐野市民病院闘争での労働委員会をはじめとする取り組みについて、本部・県本部顧問弁護士等と連携し勝利的解決を図ります。特に、219日、329日に予定されている審問への傍聴参加など、最大限の支援を行います。

(4) 安全衛生強化の取り組み

7月を安全衛生強化月間として、労働安全衛生の確立と快適職場づくりに取り組みます。

快適で働きやすい職場の実現にむけ、「自治労メンタルヘルス対策指針」、自治労「パワー・ハラスメントのない良好な職場をめざして〜予防・解決マニュアル〜」や「パワハラWebサイト(自治労HP内)」を積極的に活用するなどし、職場におけるすべてのハラスメントの一掃にむけた取り組みを進めます。

(5) 男女平等月間(6月)の取り組み

 各単組は、男女平等の推進を春闘期を中心に取り組みます。

 

2.自治・分権、および公共サービス改革の推進

(1) 地方分権に対する取り組み

 第32次地方制度調査会では、総務省の「自治体戦略2040構想研究会」報告書を踏まえ、自治体間の「圏域」連携などの地方行政体制のあり方などが議論されています。「2040構想」で示された「圏域単位での行政のスタンダード化」は中央集権的な発想であり、本部は、地域の特性に応じた多様な自治体のあり方と住民自治を尊重する立場から、自治総研などと連携して情報収集と対策を進めます。

(2) 独立行政法人への窓口業務の委託

窓口業務の委託に対して、地方交付税の算定の「トップランナー方式」を導入させないために自治労本部に結集します。地方独立行政法人への窓口関連業務の委託に対しては下記の問題点について当局の見解を質し、慎重な対応を求めます。

ア 窓口業務は行政と住民のアクセスポイントであり、住民の多様なニーズに対応するためには行政職員が対応することが望ましく、委託化によって職員の窓口対応のノウハウが失われること。

イ 窓口業務における自治体職員と地方独法職員との任務分担の不明確に伴う住民サービスの低下と「偽装請負」などの違法行為が発生するリスクがあること。

ウ コスト削減が目的化し、地方独法の職員の賃金・労働条件の低下をもたらすこと。

 

3.安心と信頼の社会保障制度改革の推進

(1) 国保運営の都道府県単位化を踏まえた取り組み

2018年4月からスタートした国保財政運営の都道府県単位化については、保険者や被保険者に混乱が生じないよう引き続き注視し、本部に結集します。

(2) 医療労働者の労働条件・環境改善にむけた取り組み

働き方改革法が成立し、医師の残業規制についても2024年4月から適用する方針が示されました。医師、看護師、コ・メディカル職員など医療現場を支える職員への影響や定年まで働き続けられる職場環境の改善等について具体的な検討を進めます。

 

4.環境・平和・人権を確立する取り組み

(1) 平和主義と民主主義を守るために、戦争法の廃止を求める各種運動に取り組みます。

(2) 脱原発・エネルギー政策の転換に取り組みます。

(3) 辺野古新基地建設の中止、普天間基地の早期返還を求め、沖縄に連帯して取り組みます。また、オスプレイの米軍基地や自衛隊への配備・導入に反対します。

 

5.政策実現にむけた政治活動の推進

(1) 当面の政策実現にむけて、自治労組織内・政策協力議員を中心とし、立憲民主党、国民民主党、社会民主党の議員、また、自治労の政策を理解する無所属の議員との連携を強化します。特に「岸まきこ」後援会への加入拡大の取り組みを継続するとともに、支持者拡大の取り組みを進めます。

単組は、組合員やその家族等を対象に「岸まきこ」を浸透させための声掛けを行います。県本部は、春闘の取り組みとあわせて政治学習会を開催し、自治労が政治活動に取り組むことの意義や、比例代表選挙での個人名の記載の徹底と「岸まきこ」の浸透、拡大、定着についての意思統一を図り、単組での取り組みを促進します。

県本部・単組は、作成する機関紙・広報物等に、定期的に「岸まきこ」の政治活動に関する記事や参議院選挙制度の解説等を掲載し、徹底した周知活動を進めます。

(2) 第19回統一自治体選挙、9月の鹿沼市議会議員選挙において、地方から新たな政治勢力の結集・拡大と参議院選挙の勝利にむけた重要なたたかいと位置づけ、単組・県本部・本部が一体となって取り組みます。

(3) 第19回統一自治体選挙、第25回参議院議員選挙、鹿沼市議会議員選挙において、自治労栃木県本部が推薦する候補予定者の必勝に向けた取り組みを強化します。

 

【組織内候補予定者】

25回参議院議員選挙

 岸 まきこ(比例代表)

 

栃木県議会議員選挙

  松井 正一(鹿沼市選挙区)

  加藤 正一(足利市選挙区)

 

小山市議会議員選挙

  石島 政己

 

 足利市議会議員選挙

  吉田 晴信

 

 鹿沼市議会議員選挙

  大貫 毅

 

【政策協力候補予定者】

 第25回参議院議員選挙

 加藤 千穂(栃木選挙区)

 

 栃木県議会議員選挙

 小池 篤史(宇都宮市・上三川町選挙区)

 平木 ちさこ(日光市選挙区)

 船山 幸雄(さくら市・塩谷郡選挙区)

 小川 昌彦(那須塩原市・那須町選挙区)

 

6.公共サービス労働者の総結集と組織の拡大

(1) 自治労の「公共サービスを担う非正規労働者10万人組織化」の方針に則って、自治体臨時・非常勤等職員をはじめとする非正規労働者の組織拡大に取り組みます。

(2) あわせて、社会福祉協議会、消防職員・病院職員と未加入自治体単組を重点に、組織拡大に取り組みます。

(3) 4月採用の新規採用職員全員の組合加入に向け、組合加入のメリットの一つである共済の推進と合わせ取り組みをすすめます。

(4) 6月14日(金)〜16日(日)に山梨県で開催される第24回関東甲地連青年女性夏期交流集会の準備を進めます。

(5) 県本部・単組は、「組合活動とはとなりの人に声をかけること」、「機関紙は組合費の領収書」を合言葉に組織強化・拡大に取り組みます。

 

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