2020春闘および当面の闘争方針

 

T 情勢と2020連合春闘のポイント

. 経済と雇用、自治体労働者を取り巻く情勢

(1) 経済と雇用をめぐる情勢

内閣府が129日に発表した7〜9月期のGDPは、実質GDPが年率換算で前期比1.8%増となり、4四半期連続のプラスとなりましたが、台風による甚大な被害・消費税増税など、実体経済への悪影響となる要因が多数あり、先行きは非常に不透明といえます。

また、122日の月例経済報告は、国内景気の基調判断を12ヵ月連続で「緩やかに回復している」としつつも、輸出に関する判断は11ヵ月連続で「弱さが続いている」としました。10月の日銀短観では、業況判断指数(DI)が3四半期連続で悪化とあり、景況感は冷え込む一方であることからも、安倍政権による経済政策は引き続き手詰まり、停滞に陥っているといえます。

 連合2019春闘では、加重平均で5,997(2.07)、一時金については年間平均4.86月を勝ち取りました。連合は、賃上げの流れは企業規模にかかわらず力強く継続されており、とりわけ100人未満の中小組合において健闘ぶりが顕著だったとしています。また、2016春闘からの「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」が確実に定着・前進したものと、評価しています。しかし、社会全体としては賃上げの流れと企業規模間・雇用形態間などの格差是正の動きは広がりを見せていません。

 厚労省が発表した11月の有効求人倍率は高水準で推移しているものの、非正規職員での雇用が増加していることから、軽々に雇用情勢は改善傾向にあると見なすことはできません。

 2019年4月に働き方改革関連法が施行され、公務においても時間外労働の縮減や長時間労働の是正について取り組むことが求められました。地方公務員については、総労働時間の縮減のために条例・規則等による措置とあわせて、その実効性の担保とすべての職場での36協定等締結の取り組みが必要です。また、職員の働き方とともに人員配置についても再検証し、必要に応じて増員を求めることも必要です。

 会計年度任用職員制度について、自治体職場における不合理な格差の是正のため労使交渉・協議に全力で取り組む必要があります。

 

. 2020連合春闘のポイント

(1) 2020連合春闘の基本的な考え方

 連合は、2020春季生活闘争を、「『総合生活改善闘争』と位置づけ、国民生活の維持・向上をはかるため、労働組合が社会・経済の構造的な問題解決をはかる『けん引役』を果たす闘争」とし、日本経済の自律的成長には内需の拡大が不可欠としています。

@賃金要求に対する考え方

 働く者の将来不安を払拭し、「経済の自律的成長」・「社会の持続性」を実現するためには「人への投資」が不可欠である。社会全体に賃上げを促す観点と「底上げ」「底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から、「賃金水準の追求」に取り組む。

A賃金水準闘争を強化していくための体制整備

 中小組合や有期・短時間・契約等で働く者の賃金を「働きの価値に見合った賃金」に引き上げ、企業内の男女間賃金格差を是正していくためには、賃金実態の把握と賃金制度の確立が不可欠である。そのため、個人別賃金データの収集とその分析・課題解決策にむけた支援を強化し、「地域ミニマム運動」へ積極的に参画する体制を整える。また、「賃金水準」闘争の広がりを確認していくために、定量的・定性的に把握できる評価軸を新たに設定する。

B「すべての労働者の立場に立った働き方」の実現

 「時間外労働時間の上限規制」・「同一労働同一賃金」への対応など法令順守、公務・民間、企業規模、雇用形態にかかわらず、個々人のニーズにあった多様な働き方の仕組みを整え、安心・安全で働きがいのある職場の構築に取り組む。

C働き方も含めた「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」

 「働き方改革関連法」の改正事項が大企業から先行実施される中、大企業等による長時間労働是正をはじめとした取り組みが、下請け等中小企業への「しわ寄せ」とならないように取り組みを進めることが重要。

 

(2) 2020連合春闘の具体的な要求項目

1)賃上げ要求

 @月例賃金

 すべての組合は月例賃金にこだわり、賃金の引き上げをめざす。定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を確保した上で、名目賃金の到達目標の実現と最低到達水準の確保、すなわち「賃金水準の追求」にこだわる内容とする。

  賃金実態が把握できないなどの事情がある場合は、格差是正分6,000円に賃金カーブ維持 分4,500円を加え、総額10,500円以上を目安に賃金の引き上げを求める。

    賃金カーブを維持することは、労働力の価値の保障により勤労意欲を維持する役割を果   たすと同時に、生活水準保障でもあり、必ずこれを確保する。

 A男女間賃金格差および生活関連手当支給基準の是正

 B初任給等の取り組み   18歳高卒初任給の参考目標値    174,600

 C一時金

   月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点を含め水準の向上・確保をはかる。

2)「すべての労働者の立場にたった働き方」の見直し

  ワーク・ライフ・バランス社会の実現と個々人の状況やニーズにあった働き方と処遇のあり方について相対的な検討を行う。

3)ジェンダー平等・多様性の推進

  多様性が尊重される社会の実現にむけて、さまざまな違いを持った人々がお互いを認め合い、ともに働き続けられる職場を実現するため、あらゆるハラスメント対策や差別禁止に取り組む。

  また、ジェンダーバイアス(無意識を含む性差別的な偏見)や固定的性差別役割分担意識を払拭し、すべての労働者が両立支援制度を利用できる環境整備にむけて、取り組みを進める。

 

 

目 的

要求の考え方

率・額

底上げ

産業相場や地域相場を引き上げていく

定昇相当分+引き上げ率(→地域別最低賃金に波及)

引き上げ率を2%程度とし、定昇分を含めて4%程度とする

格差是正

企業規模間、雇用形態間、男女間の格差を是正する

・社会横断的な水準を額で示し、その水準への到達をめざす

・男女間格差については、職場実態を把握し、改善に努める

 

規模間

雇用形態間

目標水準

30

 256,000

35

 287,000

・昇給ルールの導入

・勤続17年・時給1,700円・月給280,500円以上となる制度設計をめざす

最低到達水準

企業内最低賃金協定:1,100円〜

30歳:235,000

35歳:258,000

企業内最低賃金協定

 :1,100円〜

底支え

産業相場を下支えする

企業内最低賃金協定の締結、水準引き上げ(→特定(産業別)最低賃金に波及)

・企業内のすべての労働者を対象に協定を締結する

・締結水準は、生活を賄う観点と初職に就く際の観点を重視し、「時給1,100円以上」をめざす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 U 2020春闘の基本設計

1. 自治労春闘の意義の再確認

(1) 自治労は、賃金の改善を春闘期の中心的課題に置きながら、その時々の情勢と運動の節目に応じて、公務員の権利確立、週休二日制導入などの勤務時間の改善、行革への対抗措置、地方財政の確立なども重点課題に設定してきました。

(2) 自治労にとっての春闘は、地域公共サービス労働者の賃金改善と同時に、質の高い公共サービスの実現をめざした政策・制度の実現と、地域労働者全体の生活環境の底上げをめざしたものと位置づけることができます。

(3) 春闘期から賃金・労働条件・人員配置の課題に取り組むことが、問題解決の糸口になります。賃金や労働条件・職場環境の改善にむけて、賃金確定闘争の結果を踏まえた到達状況の点検、次の要求項目の設定と労使間での確認、職場課題の掘り起こしなど、年間の闘争サイクルを通じた取り組みが必要です。どのような課題であっても、要求−交渉開始後に直ちに解決できるものではなく、交渉の積み重ねが不可欠です。そのため、まずは労使交渉や協議のあり方などの基本的な労使関係ルールを確立することが必要です。

(4) また、自治労の各種闘争で、全国統一行動日を配置するのは、共通の目標を設定し、日程や闘争形態を調整して一斉に行動することで、全体の水準の向上を図るというものです。県本部および県内単組間で交渉状況を共有することで、当局による引き下げ圧力や賃金・労働条件の低位平準化をはね返す力となります。

(5) そのため、「1年のたたかいのスタートは、春闘から」として、春闘の位置づけを明確にするとともに、課題解決にむけ、以下の取り組みを春闘期の共通課題に設定します。

 @自治労における主な統一闘争は、以下の通りです。

  ア 賃金闘争=春闘期−人勧期−確定期という年間を通じた賃金・労働条件改善の取り組み

  イ 現業・公企統一闘争=現業・公営企業労組(評議会)が有する協約締結権を活かす運動の展開

  ウ 男女平等推進闘争=男女がともに担う社会・職場・自治労運動の構築

  エ 人員確保闘争=公共サービスの維持・確保のための人員不足の解消

 A当局との労使交渉・協議に関する労使関係ルールを確立します。

 B組合員アンケートや職場集会を実施し、単組における賃金・労働条件、職場環境などについての課題の洗い出しと把握を進めます。そのうち、賃金・労働条件に関しては、春闘期には、以下の点についての職場点検を進めます。

  ア 確定期の積み残し課題の点検と、職員の賃金実態の把握・分析を進め、具体的な運用改善のための要求事項を明確にします。

  イ 生活関連手当の支給などの男女間格差等の見直しに取り組みます。

  ウ 4月にスタートする会計年度任用職員制度について点検し、新年度における改善事項の洗い出しを行います。

  エ 36協定または36協定に準ずる書面協定の締結に取り組みます。

  オ 時間外労働や年休・代休の取得状況を点検し、業務量や任務分担の見直しにつなげます。さらに、必要に応じた具体的な人員確保を求めます。

  カ 各種ハラスメントの実態調査を行い、実効性のあるハラスメント防止策の制度化を求めます。

 C多くの組合員が参加し作成した要求書を、全単組で当局に提出します。さらに、確実に当局交渉を実施するとともに、交渉にあたっては、幅広い層の参画を追求します。

(6) 格差是正や地域づくりの観点の取り組みを進めます。

 @サービス水準や事業の持続性を確保するため、自治体単組と公共民間単組とが連携し、指定管理先や民間委託先の職場実態を共有するとともに、入札制度の見直しや適正な委託料の確保、公契約条例の制定などを求めます。

 A地域の賃金相場の形成と底上げのため、連合・他産別との連携のもと、地場・民間中小労組の交渉を支援します。

 B連合栃木、地協等と連携し、安心してくらし続けられる地域づくりや地域公共サービス労働者の処遇改善にむけたアピール行動などを展開します。

 

. 自治労の賃金闘争の基本的考え方

(1) 「経済の自律的成長」「社会の持続性」の観点からも、公務・民間にかかわらず、すべての働く者の「底上げ」「格差是正」「底支え」による所得の向上、分配構造の転換を実現していくことが必要です。このため、労働者全体の賃金相場を決定する春闘に、全単組・全組合員が主体的に参加し、社会的横断賃金の形成をめざします。

(2) 民間春闘の成果が人事院勧告・自治体確定期へと大きくつながっていくことを認識し、公務・民間が一体となり、地域の底上げ、中小・地場賃金の底支えに積極的に取り組みます。

(3) 単組は、春闘を1年のたたかいのスタートと位置づけ、実態・課題の把握、要求の取りまとめと要求書の提出、労使交渉に取り組みます。

(4) 公務員賃金の水準を底上げしていくには、初任給水準の引き上げや上位昇給原資の確保と公平な活用など、運用改善に取り組むことが重要です。単組は、春闘期には賃金ラインなど職員の給与実態を十分に把握しながら、単組として目標とする賃金の到達水準の確認を行うとともに、その実現にむけた具体的な運用改善について、少なくとも「1単組・1要求」を行い、労使交渉に取り組みます。

(5) 社会横断的な賃金水準を形成していくには、取引の適正化の推進が不可欠であることから、引き続き、公契約条例の制定を求めます。

(6) 2020年4月の改正パートタイム・有期雇用労働法、改正地方公務員法の施行を踏まえ、「同一労働同一賃金」「職務給・均衡・権衡・平等取扱い等の諸原則」の観点から、正規雇用労働者とパート・有期雇用・派遣労働者の賃金、常勤職員と会計年度任用職員の賃金、手当、休暇など労働条件全般について総点検を行います。待遇差がある場合、個々の労働条件ごとに目的・性質に照らして待遇差が不合理となっていないかを確認し、不合理な待遇差がある場合はその是正を求めます。

 

 V 春闘期からの取り組み

1. 組織の強化〜参加する春闘〜

  ○「組合活動とは、となりの人に声をかけること」

  ○「機関紙は組合費の領収書」

(1) 単組は、組合員の参加と「となりの人に声をかけること」に力点を置き、単組の日常活動の活性化をはかり、組織強化につなげます。

(2) 職場・組合員を基点とした日常的な活動、組織体制の確立が重要であることから、定期的な執行委員会等の開催、機関紙の発行を行います。また、組合役員任期の複数年化をすることで活動の継続性を図り、「要求−交渉−妥結(書面化・協約化)」を進めます。

 @職場の現状と課題、組合員の意見等を把握し、要求書にまとめ、交渉をする「職場・組合員を基点とした組合運動」を組合員全員で確認します。

 A次代を担う若年層組合員が職場における意見集約や要求書づくり、交渉参加など何か1つでも具体的な役割を担うことにより、組合活動の意義の実感、経験の積み上げにつなげます。

(3) 単組の取り組み

 @学習会・職場オルグにより職場課題を把握するとともに、組合員の意見を集約します。また、職場委員会・分会機能を整備します。

A「機関紙は組合費の領収書」を合言葉に、機関紙を定期発行し、要求内容、交渉、妥結状況等を速やかに共有することで、組合員との信頼関係を構築し、組織の強化へつなげていきます。

B日常の組合活動に積極的に若年層組合員の提案を取り入れ、参画を進めることで、知識や経験の積み上げと若年層間のネットワークづくりを促し、組織強化と人材育成につなげます。

(4) 県本部の取り組み

 @単組に対し、今まで以上に丁寧なフォローを行い、組織力量を高めていく取り組みに重点を置きます。

A単組オルグを行い、単組役員とともに単組の課題の把握と解決にむけた議論を深めます。

 B単組・ブロック共闘会議単位における学習会の講師派遣など、開催の支援を行います。

 

. 職場の課題をもとにした要求をつくり、交渉する〜「1年のたたかいのスタートは、春闘から」

(1) 職場で働く組合員一人ひとりが抱える不安や悩み、期待に応えることは、労働組合の組織運営の基本です。春闘を年間のたたかいのスタートであることを明確に位置づけ、職場・組合員の声を集め、現場実態に則した要求書の提出と交渉の実施により、課題解決につなげます。

 @単組は、「組織運営虎の巻」を参考に職場学習会を開催し、職場委員会・分会機能の活性化をはかります。

 A身近な職場課題を把握し、実態を反映した要求づくりを行います。組合員に身近な施設設備・職場環境(照明、空調の温度・稼働時間、駐車場、トイレ、更衣室、朝礼時間、昼休み中の業務対応、書類整理)などの要求を盛り込み、労使交渉による改善実績を積み上げることを意識します。

 B交渉内容を機関紙や職場集会等により組合員と共有化します。

 C合意した内容については、書面協定または労働協約の締結を徹底します。

 

. 基本となる労使間のルールを確立する

(1) 使用者には、労働者の代表者と誠実に交渉にあたる義務があります。つまり、使用者は、組合の要求や主張をたんに「聞きおく」だけでなく、それら要求や主張に対し、その具体性や追求の程度に応じた回答を行い、必要に応じて、回答の論拠や資料を提示する義務があるとされています。このことは、民間職場においては、労組法で定められ、不誠実な交渉対応は「不当労働行為」という違法行為に該当します。

(2) さらに、公務職場においては、地公法第55条第1項において「地方公共団体の当局は、登録を受けた職員団体から、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、及びこれに附帯して、社交的又は厚生的活動を含む適法な活動に係る事項に関し、適法な交渉の申入れがあった場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする」として、同様の考え方がされています。

(3) 当局が地公法第55条第3項を盾に、管理運営事項として交渉を拒否するケースがありますが、政府の国会答弁等で「管理運営事項の処理の結果、影響を受けることがある勤務条件については交渉の対象になる」との考え方が確立しており、職員団体の要求に対して、当局は交渉に応じる立場にあります。(例えば、人事評価制度の活用に関しては、勤務条件に該当するため交渉事項になります。)

(4) 春闘期に、年間を通じた交渉・協議の基本的なルールや取り扱うテーマについて労使で確認し、健全な労使関係を構築することが重要であることから、「労使関係ルールに関する基本要求書」を提出し、基本的な労使関係のルールを確立します。

 

4.賃金・労働条件改善

(1) 公務職場の賃金改善

@賃金改善の基本的な考え方と取り組み

.職場・組合員の実態と課題を把握し、要求書を提出し、労使交渉に取り組みます。

.すべての自治体単組が、春闘期には職員の給与実態を十分に把握、分析して、目標とする賃金の到達水準の確認を行うとともに、その実現にむけた具体的な運用改善について、少なくとも「1単組・1要求」を行い、労使交渉に取り組みます。

.単組は組合員個々の賃金実態を把握し、近隣自治体・同規模自治体との昇給・昇格ラインと比較し、具体的な到達目標を設定するため、県本部とともにモデルラインを作成します。

.人事評価結果については、労使合意に基づかない賃金への反映は行わないことを徹底するとともに、賃金への反映を行う場合には、人材育成や長期的なモチベーションの向上も踏まえて対応することを基本に、上位昇給区分の原資を活用した賃金水準の確保などをめざします。

.県本部は、交渉未実施単組への支援を行います。

.公務員給与への住民理解を得るため、公務労協の「良い社会をつくる公共サービスキャンペーン」(仮称)に積極的に参加します。

.制度の改善と水準の確保にむけ、公務労協・公務員連絡会に結集します。

(2) 改善にむけた具体的な到達目標の設定

連合方針を踏まえ、公務員賃金水準の改善にむけ、以下@〜Gの項目について目標を設定し取り組みます。

 @基本給

  ポイント賃金については、到達闘争の基本に位置づけた上で、2006給与構造改革前の賃金水

準の回復をめざします。各単組は到達状況を踏まえ、具体的な指標を設定します。

   〜〜到達目標(ポイント賃金)〜〜

30歳 248,775円 (国公行()3−13水準、249,400)

35歳 293,807円 (国公行()3−40水準、294,300)

40歳 343,042円 (国公行()4−43水準、344,800)

     上記の到達目標は、2017年実施の賃金実態調査を基準に、賃金PT報告に基づく算出方法により設定しています。具体的には、2006給与構造改革により引き下げられた4.8%と、2015給与制度の総合的見直しにより引き下げられた2.0%を加えた6.8%に、2017年度賃金実態調査における実在者中央値を乗じて算出しています。

〜〜ラス逆数の算出方法と目標設定〜〜

例)ラスパイレス指数98.9で、30歳の平均給与月額が250,000円(3−14相当)の自治体

@ 100÷98.91.011(「ラス逆数」)

A 現行の平均給料月額に1.011を乗じた金額を目標とする

B 30歳の給料250,000円×1.011252,750円(「目標賃金」)

C 達成するためには、30歳で3−16253,500円)に到達する必要があることから、運用改善として2号上位をめざす

 

ア.自治労としての到達目標(ポイント賃金)を以下の通り設定し、給料表の引き上げと運用改善により、目標到達をめざします。

 イ.さらに、「ラスパイレス指数100を最低水準」とし、「ラス逆数」から算出した率を運用改善の具体的目標として設定します。

 ウ.組合員の到達級について、係長・同相当職の4級到達、課長補佐・同相当職の6級到達を指標に、賃金水準の維持・改善を進めます。

 エ.すべての在職者が定年まで昇給が可能になるよう、号給の延長を求めます。

 オ.男女間、自治体間、職種間などに存在する賃金格差の解消を求めます。

 A自治体最低賃金

  現在の国公の高卒初任給は時給換算すると925円(月額150,600円(国公行()1級5号)月162.75時間で算出)と、辛うじて最低賃金の全国加重平均を上回っていますが、政府がめざす1,000円にも及ばない水準にあります。人材確保等の観点からも、自治体で働く労働者の最低賃金、初任給のあり方等の見直しが課題となっています。

  自治体最低賃金を月額165,900円(国公行()1級17号)以上、日給8,300円(月額/20日)以上、時給は1,070円(月額/20/7時間45分)以上とすることを求めます。

 B初任給

 ア.公務労協・公務員連絡会に結集し、人事院等に対し、国家公務員の初任給基準(高卒:国公行()1級5号)の改善または俸給表の引き上げ改定を求めます。

 イ.単組は、人材確保等の観点からも、初任給の引き上げを求め、引き続き、国公行()の初任給基準の8号上位をめざします。

 C再任用者の賃金

 ア.再任用者の給料表、一時金の引き上げを求めます。

 イ.定年の引き上げを見据えて、再任用者が担っている業務実態等にあわせ、上位級を適用するなど賃金水準の引き上げを求めます。

 D昇給区分の運用

  昇給への勤務成績の反映については、労使交渉・協議、合意を前提とし、拙速な反映を行わないことを基本に、以下により対応することとします。

 ア.4号給を超える昇給区分については、8号給5%、6号給20%相当とし、公平な運用に

よって賃金水準を確保するよう求めます。

 イ.50歳台後半層職員の昇給抑制と昇格制度の見直しに対しては、過去の55歳昇給停止を改めた経過と理由を追及し、拙速な見直しは行わないよう求めます。モチベーションの維持・向上のため、少なくとも標準で2号以上の昇給、また号給の延長などを求めます。

 E一時金

  期末・勤勉手当の割り振りは、期末手当の割合に重点を置くこととし、勤勉手当への成績率の一方的な導入、および成績率の拡大を行わないことを求めます。

 F時間外勤務手当

  月45時間超、60時間以下の時間外勤務手当の割増率の引き上げを行うよう求めます。また、時間外勤務手当財源を確保し、不払い残業の撲滅に取り組みます。

 Gその他諸手当

  生活関連手当の支給における世帯主要件や男女間で取り扱いが異なる規定がある場合は見直しを求めます。

 

(3) 会計年度任用職員等の処遇改善

1) 同じ自治体で働く常勤職員との均等・均衡を基本とする制度改善を2020春闘期以降も継続的に求めるとともに組織化も進めます。

2) 改正パートタイム・有期雇用労働法、地方公務員法の施行を踏まえ、「会計年度任用職員制度の整備状況チェックリスト」に基づき、「同一労働同一賃金」「職務給・均衡・権衡・平等取扱い等の諸原則」の観点から、給料(報酬)や手当、休暇制度をはじめとする労働条件全般について、会計年度任用職員制度の設計状況も含めた総点検を行います。

 @常勤職員と異なる労働条件については、合理的理由の説明を求めることとし、理由なく差が設けられている労働条件については、速やかな見直しを求めます。

 A会計年度任用職員の労働条件に関し、総務省が事務処理マニュアルに示す内容については、自治体として最低限到達する必要があります。総点検を行い、到達していない労働条件がある場合は、速やかな見直しを求めます。

3) 常勤職員との均等・均衡を基本として、「自治体単組の要求モデル」に基づき、交渉・協議を行います。

 @給料(報酬)および諸手当については、自治労の自治体最低賃金、月額165,900円以上、日額8,300円以上、時間額1,070円以上(国公行()、1級17号相当以上)を最低とし、常勤職員との均等・均衡を基本に支給を求めます。

 A休暇制度については、常勤職員との均衡に基づき整備することを求めます。

   労働基準法の基準を最低に、年次有給休暇、さらには産前産後休暇等の制度化を求めるとともに、国の非常勤職員の措置(夏季休暇の新設含む)に関しては最低限制度化するよう求めます。また、1年以上雇用される職員には、育児休業・介護休暇を適用させます。

 B6ヵ月以上勤続(見込み)・週勤務20時間以上の職員の健康診断を実施させます。

 C要件を満たす会計年度任用職員の地方公務員共済制度、公務災害補償制度、厚生年金保険および健康保険、災害補償、雇用保険の加入を確実に行うよう求めます。

 D恒常的な業務であるにもかかわらず雇用更新年限が設けられている場合は、その廃止と雇用継続を求めます。あわせて、恒常的な業務に就いている職員については、常勤職員への任用替えを求めます。

4) 国家公務員の非常勤職員には、2018年度より勤勉手当が支給されていることを踏まえ、会計年度任用職員についても支給を求め、法改正も視野に取り組みを進めます。

5) 会計年度任用職員制度への移行に際して、雇い止めが行われないよう要求します。

6) 任期付職員および臨時職員の給料・諸手当、また昇格・昇給について、常勤職員との均等待遇を求めます。

 

(4) 人員確保と職場からの働き方改革

1) 働き方改革をめぐる情勢

@地方公務員の一般行政職員数は、2015年より増加に転じていますが、これまでの人員削減により充足感はありません。通常業務に関しても十分な体制が確保されない中で、相次ぐ災害により、被災自治体では復旧・復興業務が重なり、長時間労働などの問題が発生しています。緊急時における体制の確保を含め、公共サービスの維持・提供のために必要な人員確保・増員が必要です。

Aパワー・ハラスメント対策については、労働政策審議会で「パワハラに関する雇用管理上講ずべき措置等に関する指針」が決定されます。指針の検討にあたりパワー・ハラスメントとして認められる範囲が限定される恐れが指摘されるなど、課題も残されています。人事院でも新たな対応策を講ずることになることから、各自治体でも、しっかりとしたパワー・ハラスメント対策が求められます。

2) 36協定締結と人員確保を求める取り組み

@単組は、総労働時間の短縮および36協定締結と人員確保にむけて、以下の課題について取り組みます。

 ア.厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」、本部作成の「適正な労働時間管理のための職場チェックリスト」を踏まえ、交渉・協議と合意により、すべての労働者の始業・終業時間や休日労働の正確な実態を把握できる勤務時間管理体制を構築します。あわせて、時間外勤務手当財源を確保し、不払い残業の撲滅に取り組みます。

 イ.条例・規則が定める上限時間を踏まえ、36協定または36協定に準ずる書面協定を締結し、時間外労働を縮減します。とくに、労働基準法「別表第一」に該当する事業場において、協定の締結なく時間外労働が行われている場合は法令違反にあたるため、速やかに36協定の締結にむけた労使交渉などに取り組みます。取り組みの推進にあたっては、本部作成の「36協定のてびき」(公務のための「0からはじめる36協定」)を活用します。

 ウ.条例・規則が定める時間外労働に関する上限時間は、長時間労働の是正が目的であることに鑑み、その運用状況を注視し、「他律的業務」に該当するとされた業務・部署等の明確化と点検を行いその縮小・廃止に取り組むとともに、上限時間の引き下げ(規則改正または書面協定による制限)にも継続的に取り組みます。また、上限時間を超えて時間外労働を命じることができる「特例業務」については、その業務(大規模災害など)や職員の範囲に関し交渉・協議を行い、労働協約または書面協定として締結します。なお、「特例業務」が行われた場合は、労使で当該勤務にかかる要因の整理、分析・検証を遅くとも半年以内に実施します。

 エ.安全衛生委員会において、毎月の時間外労働の実態を個人別・職場別に報告させるとともに、とくにいわゆる過労死基準といわれる月80時間を超える場合や、時間外労働が常態化している職場については具体的な対応策を示すよう求めます。

   長時間労働を行った職員に対する医師による面接指導など健康確保措置の強化を求めます。とくに1月80時間超の時間外労働を行った職員については、申出の有無にかかわらず医師による面接指導を実施することを確認します。

 オ.年次有給休暇の完全取得にむけ、一層の計画的使用促進に取り組みます。とくに、改正労働基準法等を踏まえ、年休の5日未満取得者の解消をはかります。

 カ.職場単位で「人員確保要求チェックリスト」を活用した職場点検活動を行い、それを基に欠員の完全補充と新規採用等の職員採用の実施、希望者全員の再任用などについて、要求します。

 キ.健康とワーク・ライフ・バランスの確保のため、勤務間インターバル制度の導入にむけ、労使協議を行います。

 ク.テレワークやフレックスタイム制については、総労働時間の短縮とワーク・ライフ・バランスに資する制度とし、あくまでも職員の希望による柔軟な勤務形態の実現を求めます。

 ケ.治療と仕事の両立支援、障害を持つ職員の視点から、休暇制度・勤務時間制度の導入と改善に取り組みます。また、リフレッシュ休暇など、労働者の生涯設計に応じた各種休暇制度の新設・拡充にむけ取り組みます。

A県本部は、自治体の時間外労働の上限規制の整備状況、単組の36協定の締結状況を把握します。

3) 定年延長の実現と再任用制度の改善を求める取り組み

@地方公務員の定年引上げについては、自治体ごとに組織構造が違うため役職定年や新規採用の確保などに留意が必要なことから、本部は総務省に対して自治労および自治体の意見を十分に踏まえた上で、国に遅れることなく定年を引き上げるよう必要な対応を求めます。

A単組・県本部は定年引上げ実現までの間は、フルタイムを基本とした再任用制度を確立・運用し、再任用を希望する定年退職者全員の雇用確保と労働条件の改善を求めます。

4) 失職特例条例の制定を求める取り組み

@単組・県本部は、地方公務員法第28条に基づく失職の特例を認める条例の制定を求めます。

5) 改正地方自治法に対応した条例の制定を求める取り組み

@2017年に成立した改正地方自治法(2020年4月施行)で、地方公共団体の長や職員等の地方公共団体に対する損害賠償責任について、職務の遂行において善意でかつ重大な過失がないときは、賠償責任額の上限を定め、それ以上の額を免責することを条例で定めることができることになりました。損害賠償責任について、政令で示された上限基準に沿って、職員の賠償の上限額を条例化することを求めます。

6) ハラスメント防止の取り組み

@各自治体での実効性のあるハラスメント防止策の制度化を求めていきます。

A各単組は、以下の事項について自治体当局に要求書を提出します。

・パワー・ハラスメント防止のための基本指針等を作成し、労使交渉を踏まえて、条例・規則でその防止のための具体的施策を定めること。

・セクシュアル・ハラスメントを含めたハラスメントに関する相談窓口を設置すること。

・パワー・ハラスメントを防止するために、管理職および職員に対して、パワー・ハラスメントの内容およびその発生の原因や背景を含めた研修・講習等を実施すること。

 ・カスタマー・ハラスメントや「悪質クレーム」対策を具体化すること。

 

5.2020春闘期に決着をめざす民間職場等の賃金・労働条件改善

(1) 公共サービス民間労組

@賃上げ要求は、2020連合方針を踏まえて、定期昇給相当分2%+引き上げ率2%あわせて4%程度とし、具体的には「賃金カーブ維持相当分4,500円+賃金改善分6,000円」以上を要求の基準とします。

A自治体最低賃金(月額165,900円以上、日給8,300円以上、時給1,070円以上)の確保をはかります。ただし、時給については、連合方針を踏まえ、1,100円以上をめざします。

B秋闘期の要求・交渉の実施状況を点検・分析します。すべての単組において、組合員からの意見をもとに要求書を作成し、要求書の提出と交渉、妥結をめざします。その際、関係自治体との意見交換の場を設定するなど、県本部・関係自治体単組との連携をはかります。

C指定管理者単組・委託職場単組と自治体単組による対策会議等を通じて、意見交換と意思統一を行います。また、指定管理者単組の自治体交渉への参加を追求します。

D公契約条例の制定や入札改革にむけて、「安全かつ良質な公共サービスを実施するための労働環境の整備に関する要求モデル」に基づき、自治体単組と連携した要求活動を行います。

E働き方改革に基づく時間外労働の上限規制見直し、5日間の年休取得の義務化、月60時間を超える時間外労働への割増賃金率の引き上げといった労働時間法制の改正に対応した取り組みを展開します。

F正規雇用労働者と短時間・有期雇用労働者で労働条件に不合理な待遇差がある場合は、早急な改善を求めます。また、その取り組みを非正規労働者の組織化に結びつけます。

(2) 全国一般栃木地方労組

@賃上げ要求は、全国一般2020春闘調査をもとに、連合の中小組合の取り組み方針を踏まえ、「平均賃上げ要求13,500円以上(賃金カーブ維持分4,500円+生活維持・向上分7,200円以上+格差是正・歪み是正分1,800円)」とします。

A賃金・労働条件の点検を各職場で行い、就業規則・労働協約の改善にむけた取り組みを進めます。

B同一労働同一賃金ガイドラインの規定を踏まえ、不合理な待遇差を是正する取り組みを進めます。

C働き方改革関連法の基準を踏まえた職場環境の改善、福利厚生の充実など、職場独自の要求を加える「プラス1」要求運動を強化します。

D春闘討論集会や学習会を実施し、2020春闘の意思統一をはかります。

 

6.安心してくらし続けられる地域づくりと男女平等の実現

(1) 地域共生社会の実現

@地方自治体には、地域住民が安心して生活できるための、質の高い公共サービスを提供する義務があるとともに、「地域共生社会」の実現・拡充にむけ取り組まなければなりません。

A各自治体が主体的に判断し、自治体、住民、地域コミュニティ、NPOなどが連携し、日常的に連携できる防災体制、まちづくりを進めるために自治体職員の人員確保・増員を求めます。

B保育・介護の現場での、人材確保策と労働条件確保に取り組みます。

(2) 男女平等職場の実現

@男女がともに仕事と生活の調和を実現するためには、働き方を見直し、仕事と育児や介護等の両立支援にむけた環境整備が不可欠です。

Aまた、ジェンダーバイアス(無意識を含む性差別的偏見)や好意的性差別、固定的性別役割分担意識を払拭し、両立支援制度を利用できる職場環境と意識の醸成を促進する必要があります。

B春闘期においては、誰もが働きやすい職場をめざし、両立支援の促進、ハラスメントの一掃、職場の中の格差是正にむけた取り組みなどを推進します。

ア.両立支援制度の充実と周知を求めるとともに、男性が育児休暇などを取得しやすい環境づくりを進めます。

 イ.介護休業(休暇)制度の充実と取得にむけた取り組みを進めます。

 ウ.不妊治療休暇等制度の新設と拡充を求めます。

 エ.ハラスメントの現状を把握するとともに、職場のハラスメントの一掃に取り組みます。

 オ.201911月から住民票に旧姓を併記することが可能となりました。職場の中での業務上の不都合の解消やキャリア形成にむけ、旧姓使用が可能となるよう労使協議を進めます。

 カ.LGBTなど性的指向および性自認に関する理解を深め、必要に応じて職場環境の改善を求めます。

 キ.県本部に「男女がともに担う自治労委員会」を設置し、課題の解決に向けた取り組みを行います。

 

7. 春闘のスケジュール

2月3日の連合2020春季生活闘争・闘争開始宣言中央総決起集会を皮切りに、春闘が本格化し

ます。自治労は、2月4日〜13日の要求書提出ゾーンに、組合員の意見を集約した要求書を提出し、自治労全国統一行動日である3月13日までの決着にむけ、「要求−交渉−妥結(正面化・協約化)」のサイクルを確立し実施することを徹底します。また、1年間の闘争体制の確立をめざし、産別闘争体制を確立するストライキ批准投票を実施します。なお、ストライキ批准投票は、年間を通じて一波につき2時間を上限とするストライキを含む闘争指令権を中央闘争委員会に委譲することについて、組合員の承認を求めるものです。

 自治労313全国統一行動日には、ストライキ(民間)、29分時間内食い込み集会(公務)を基本に、時間外職場集会やビラ配布行動等を行います。

2月 3日(月)連合闘争開始宣言中央総決起集会

 1月 31日(金)〜13日(木) スト批准投票

 2月 4日(火)〜13日(木) 要求書提出ゾーン

 2月 14日(金) 県本部第1次統一行動日

2月 21日(火) 公務労協2020年公共サービスキャンペーン開始中央集会

3月 3日(火) 連合春季生活闘争・政策制度要求実現中央集会

3月 6日(金) 連合「Action36

 3月 9日(月)〜12日(木) 交渉ゾーン

3月 6日(金) 国際女性デー全国統一行動街頭宣伝・中央集会

3月 13日(金) 県本部第2次統一行動日(全国統一行動日)

3月 27日(金) 県本部第3次統一行動日

〜〜2020春闘「3・13全国統一行動指標」〜〜

<自治体単組>

@ 生活向上のため、運用見直しも含めた積極的な賃金改善をはかること。

A 賃金・労働条件の変更にあたっては、十分な労使交渉・協議と合意を前提とすること。

B 会計年度任用職員等の雇用の安定と処遇改善をはかること。

C 時間外労働を縮減すること。

D 地域公共サービスの維持・改善のため、積極的な人員確保を進めること。

<民間労組>

@ 組合の要求に基づき、積極的な賃金改善をはかり、早期に実施すること。

A 賃金・労働条件の変更にあたっては、労働組合との合意を前提とすること。

B 「同一労働同一賃金」の観点から、不合理な待遇格差を是正し、非正規労働者の雇用の安定と処遇改善をはかること。

C 過重労働と人手不足の解消をはかり、時間外労働を縮減すること。

 

W.当面の闘争方針

1. 職場の権利と勤務条件を確立する取り組み

(1) 人員確保

各単組は、春闘期に人員確保に取り組みます。本部作成の『職場の人員足りてますか?』チェックシートを活用して、職場(課、等)単位で人員要求を積み上げ、要求し当局交渉を行います。

(2) 超過勤務時間管理

台風19号災害に伴って上限時間を超えて時間外労働を命じられた「特例業務」が行われた場 

合は、当該勤務にかかる要因の整理、分析・検証を実施させます。

(3) 安全衛生強化の取り組み

7月を安全衛生強化月間として、労働安全衛生の確立と快適職場づくりに取り組みます。

快適で働きやすい職場の実現にむけ、「自治労メンタルヘルス対策指針」、自治労「パワー・ハラスメントのない良好な職場をめざして〜予防・解決マニュアル〜」や「パワハラWebサイト(自治労HP内)」を積極的に活用するなどし、職場におけるすべてのハラスメントの一掃にむけた取り組みを進めます。

(4) 男女平等月間(6月)の取り組み

各単組は、男女平等の推進を春闘期中心に取り組みます。

 

2. 自治体財政の確立と自治・分権および公共サービス改革の推進

(1) 政府予算における地方財政の確立と公共サービス改革に対する取り組み

政府予算や地方財政計画・地方財政対策、税制改革に対して、本部の取り組みに結集します。

 @社会保障、災害対策、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保をはかること。

 A子ども・子育て支援新制度、地域医療の確保、地域包括ケアシステムの構築、生活困窮者自立支援、介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障予算の確保および地方財政措置を的確に行うこと。とりわけ、保育の無償化に伴う地方負担分の財源確保を確実にはかること。

 B地方交付税における「トップランナー方式」の導入は、地域による人口規模・事業規模の差異、各自治体における検討経過や民間産業の展開度合いの違いを無視して経費を算定するものであり、廃止・縮小を含めた検討を行うこと。

 C「まち・ひと・しごと創生事業費」として確保されている1兆円について、引き続き同規模の財源確保をはかること。また、地方創生関連の「地域の元気創造事業費」の地方交付税算定において、職員削減率の指標を反映させていることは地方自治体の人員不足の現状に反していることから、早急に見直すこと。

 D森林環境譲与税の譲与基準については、地方団体と協議を進め、林業需要の高い自治体への譲与額を増加させるよう見直しを進めること。

 E地域間の財源偏在性の是正のため、偏在性の小さい所得税・消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、抜本的な解決策の協議を進めること。

   同時に、各種税制の廃止、減税を検討する際には、自治体財政に与える影響を十分検証した上で、代替財源の確保をはじめ、財政運営に支障が生じることがないよう対応をはかること。

 F地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化をはかり、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握、小規模自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。

 G地方交付税の法定率を引き上げ、臨時財政対策債に頼らない地方財政を確立すること。

 H新基準に基づく「ふるさと納税」について、各自治体への影響について調査を実施すること。

 I自治体の基金残高を、地方財政計画や地方交付税に反映させないこと。

 J政府は健康保険のオンライン資格確認の導入により、マイナンバーカードの取得を進めようとしていることから、今後、自治体や共済組合などでの事務量増大が想定されます。円滑な事務対応にかかる必要な財源の確保を関係省庁等に求めます。

(2) 県本部・単組の取り組み

@県本部は、地方自治法99条に基づく議会決議採択を推進するため、自治労栃木県本部組織内議員・政策協力議員と連携し取り組みます。また、市長会、町村会などへの要請に

取り組みます。なお、6月議会に取り組めなかった場合は9月議会とします。

A県本部は、財政分析講座やセミナーを開催し、財政分析を労使交渉・協議に活かす取り組

みを進めます。

 B財政難を理由とした民間委託については、当面の一般財源総額が確保されていることを踏ま

え、委託の妥当性や根拠の提示を自治体当局に求めます。また、委託が提案された場合には、

公共サービスの質が確保されるか、民間事業者の受託可能性、事業の継続可能性、採算性な

ど、情報公開の徹底を求め、慎重な対応を求めます。

 C県本部・単組は、各自治体の民間委託・指定管理者制度の導入動向の点検に取り組みます。

(3) AI・RPA対策の取り組み

AIが社会に与える影響を踏まえ、連合などとも連携し、AIによる基本的人権の侵害を防ぐための法的規制のあり方や雇用などへの影響と対応について、本部の調査・検討をもとに進めます。

各単組で検討する場合は、以下のとおりとし、慎重に検討します。

 @各単組でAI・RPAの導入にあたっては、目的と効果について、労使による協議を前提とし、人員削減を目的とした導入には反対します。

 AAI・RPAについて組合内で議論する場合は、現場で働く職員や将来の自治体業務を中心的に担う若手組合員を中心に単組の自治研活動としてAI等の導入に関する研究を進め、これからの公共サービスのあり方や職員の仕事のあり方などを模索します。その上で、労使交渉・協議に反映させていくことを求めます。

(4) 地方分権、まち・ひと・しごと創生法に対する取り組み

32次地方制度調査会では、総務省の「自治体戦略2040構想研究会」報告書を踏まえ、自

治体間の「圏域」連携などの地方行政体制のあり方などが議論されています。「2040構想」で示された「圏域単位での行政のスタンダード化」や「情報システムの標準化・共通化」などは中央集権的な発想であり、地域の特性に応じた多様な自治体のあり方と住民自治を尊重する立場から、本部の取り組みに結集します。

政府の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」については、以下の通り取り組みます。

 政府は202012月に、第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定し、自治

体にも新たな総合戦略づくりを求める予定です。計画策定にあたっては、地域の実情に応じた

計画づくりをすべきであり、補助金などを用いた国主導の計画・政策誘導には反対します。

(5) 窓口業務の委託化に対する取り組み

全国の自治体で窓口業務が委託されている割合が約2割にとどまっていることから、「トップランナー方式」への窓口業務の導入が見送られました。

県本部・単組は、民間企業や地方独立行政法人への窓口関連業務の委託に対しては下記の問題点について当局の見解を質し、慎重な対応を求めます。

 @窓口業務は行政と住民のアクセスポイントであり、住民の多様なニーズに対応するためには行政職員が対応することが望ましく、委託化によって職員の窓口対応のノウハウが失われること。

 A窓口業務における自治体職員と、民間企業および地方独法職員との任務分担の不明確に伴う住民サービスの低下と「偽装請負」などの違法行為が発生するリスクがあること。

 Bコスト削減が目的化し、民間企業や地方独法の職員の賃金・労働条件の低下をもたらすこと。

(5) 38年次自治研活動の推進

202010月に開催される、第38回地方自治研究全国集会(青森自治研)に参加します。

 

〜〜【用語解説】RPA〜〜

 RPAは「Robotic Process Automation / ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、主に事務系の定型作業などをパソコンの中にある「ソフトウェア型ロボット」が代行・自動化するもの。通常業務で人間が行っている定型的・事務的作業(転記作業や計算作業など)を自動的に処理することができ、職員負担の軽減やミスの減少などに効果があるとされ、民間企業などで導入が進んでいる。

 

3. 環境・平和・人権を確立する取り組み

(1) 平和フォーラム・県平和運動センターの活動を積極的に担います。さらに、戦争をさせな

1000人委員会・戦争をさせない全国署名栃木県連絡会議の活動に結集し、取り組みを継続

します。

(2) すべての原発の再稼働および新増設に反対し、すべての原発の廃炉を求め、平和フォーラ

ムや市民団体と連携して、その活動に参加します。また、国の進める「特措法に基づく指定

廃棄物の最終処分計画」には現時点において問題が多いことから、最終処分計画の見直しを

求めます。

(3)連合栃木が取り組む、「食とみどり、水を守る運動」に参加します。

 

4. 政策実現にむけた政治活動の推進

(1) 国政選挙への対応

 厳しい選挙戦の中、組織内候補「岸まきこ」は議席を獲得することができましたが、得票結果は獲得目標に遠く及ばず、政治活動の取り組みに対する課題が改めて浮き彫りとなりました。県内の得票数も3年前の「えさきたかし」を下回るなど、課題が残りました。

今後の取り組みにつなげるために、県本部・単組それぞれにおいて、組合員の意識の把握や組織と運動両面の点検を実施して総括を行い、具体的な議論を進めます。

 また、次期衆議院選挙にむけて、野党には、参議院選挙区選挙での「野党共闘」を踏まえ、立憲民主党が中心となり候補者の一本化にむけた調整が求められます。いつ解散総選挙が行われても対応できるよう、本部−県本部−単組は連携を一層密にし、適時・適切な情報共有に努め、それぞれが「中道」「リベラル」勢力の拡大にむけ主体的な取り組みを進めます。

 自治労栃木県本部推薦議員・候補予定者

第1区 渡辺のりよし

第2区 福田あきお

第3区 伊賀 央

第4区 藤岡たかお

2) 政策実現にむけた政治活動の強化

@当面の政策実現にむけて、自治労組織内・政策協力議員を中心とし、立憲民主党、国民民主党、社会民主党の議員、また、自治労の政策を理解する無所属の議員との連携を強化します。

A県本部・単組は、政治学習会の開催や、機関紙・誌の活用を通して、政治活動の意義の共有化と、政治活動に関する正確な知識の周知をはかります。とくに、若年組合員・組合役員に理解を得ることを重視し、政治参加を促進します。

B県本部・単組は、組合員に対し、組織内・政策協力議員等の活動に関して、日常的な取り組みの内容や実績等について情報提供を行います。また、若年組合員・組合役員との意見交換等を実施します。

C県本部・単組は、自治体議員連合をはじめ、各議員との日常的な対話を行います。

D国政選挙、地方選挙などの各種選挙においても連合栃木との信頼関係を基礎に対応します。

 

5. 組織強化・拡大の推進

1)再任用者・再雇用者、自治体臨時・非常勤等職員を重点に、労働組合加入・結成をはかります。あわせて、消防職員の組織化を進めます。

とくに、再任用者・再雇用者の組合加入・継続の取り組みを進めます。県本部は、推進にむけた具体的な取り組みを示します。

2)関東甲地連臨時・非常勤等職員協議会へ積極的に参加します。

3)県本部組織拡大推進会議が中心となり組織強化・拡大に取り組みます。

4)賃金確定闘争の内容や組織内自治体議員の活躍などを伝えるため、『自治労とちぎ』家庭版を組合員家庭に配布します。

5県本部財政をより強固なものにするため、財政安定化資金の積み増しを行います。

6)7月3日(金)〜5日(日)に山梨県で開催される第22回青年女性中央大交流集会の準備を進めます。

7)県本部・単組は、「組合活動とは、となりの人に声をかけること」、「機関紙は組合費の領収書」を合言葉に組織強化・拡大に取り組みます。

 

6. 労働者自主福祉活動の推進について

(1) 自治労共済の推進

生命保険料は、手取り収入の5%以内が適正と言われています。民間生保に比べ安い掛け金で適正な保障を受けられる自治労共済を積極的に推進し、組合員の可処分所得の向上を目指します。

年間の活動計画に沿った加入推進に取り組み、全労済自治労共済本部栃木県支部(以下、「共済県支部」といいます)とこくみん共済coop栃木県推進本部と連携して、単組別加入拡大目標を掲げ、新規契約目標を中心に拡大に取り組みます。さらに、県本部共済推進委員会を中心に共済県支部との共同推進、こくみん共済coop栃木県推進本部との協力のもと、以下を重点に取り組みます。

ア 団体生命共済

イ 長期共済・税制適格年金

ウ 退職後共済

エ こども保障満期付タイプ

オ 火災共済・自然災害共済

カ マイカー共済

キ 自賠責共済

ク 公務員賠償責任保険

ケ 個人向け新商品(会計年度任用職員対象)

コ 再任用・再雇用者に対する自治労共済の継続

(2) ろうきん

貯金、融資ともに生活のメインバンクとしての働く者の銀行「ろうきん」の活用を積極的に進め、ろうきん運動を推進します。

特に、高金利の銀行カードローンの利用者の増加とともに自己破産件数が増加していることから、組合員に対し低金利のろうきんマイプランを推進するなどカードローンの見直しの提案、さらには、正しい金融知識の周知を行います。

 

戻る