2021春闘方針および当面の闘争方針

〜組合員の声を集め、参加する春闘に〜

〜公共サービスにもっと投資を!〜

 

T 2021春闘方針

1.政治・経済情勢

(1)情勢

2020年の世界経済は、コロナ禍によって世界大恐慌以来の未曽有の事態に陥ってい

ますが、徐々に社会経済活動の再開が進められています。しかし、アメリカ、インド、ブラジルなどを中心に、感染拡大に歯止めがかからず、さらに10月に入り、ヨーロッパ各国では第1波を上回るほどの感染者が出ており、再び夜間の外出禁止や飲食店の夜間営業禁止などの規制強化策が取られています。国内では202012月から急激に感染拡大し1月7日には1都3県に緊急事態宣言が出され、その後、栃木県を含め対象地域が拡大されました。このようなことから、世界経済はコロナ禍のもとで依然として先行き不透明な状況が続くことが想定されます。

@2020春闘

賃上げの流れは継続。中小、非正規雇用労働者が健闘し格差是正の動きが前進。

2020春闘年末一時金 加重平均 組合員平均 2.24月 624,140

AGDP(7月〜9月期)

年率換算でプラス21.4%となるものの急減した前期の反動という面が強く、回復の力強さに欠けている。

B12月日銀短観(1214日発表)

大企業の業況判断指数(DI)はマイナス8と、9月調査から8ポイント改善。コロナ禍の影響をめぐる先行き不透明感などから、今後も企業の慎重姿勢は続くことが予想される。

C毎月勤労統計(10月確報値)

 実質賃金指数 前年同月比0.1%減(8ヶ月連続で前年比マイナス)

D11月分労働力調査

 正規従業員数3,547万人(前年同月比:21万人増)、非正規従業員数2,124万人(前

年同月比:62万人減、9ヶ月連続の減少)、完全失業者数195万人(前年同月比:44

万人増、10ヶ月連続の増加)

 

コロナ禍関連倒産は、1225日時点の累計で874件となり、飲食サービス、アパレル関連、宿泊業が多数を占めています。ここにきて零細・小規模事業者の息切れが続いていることから、今後、倒産が拡大するおそれがあります。他方、打撃を受けている同業種内でも業績が堅調な企業もあり、企業間で明暗が分かれるなど、企業を取り巻く経営環境は混迷を極めています。

菅首相は、「自助、共助、公助」を政策の理念として掲げ、規制改革を有効な政策実現手

段に据えている事実からすれば、新自由主義的な「公の役割を小さくして極端な自己責任論に終始する、弱者切り捨ての政策」が続くことが想定されます。これ以上、経済・所得格差が拡大しないよう、連合や協力政党とともに対応していかなければなりません。

 

2.2021連合春闘

(1)2021連合春闘の意義

  ➢日本の抱える構造問題とコロナ禍によって明らかになった社会の脆弱さを克服し、

将来世代に希望がつながる持続可能な社会を実現

➢「経済の自立的成長」を両立していくには雇用の確保を大前提に、労働条件の

改善による消費の喚起・拡大が不可欠

コロナ禍は、中小企業、非正規労働者などセーフティーネットが脆弱な層ほど深刻な影響を受けている。この状況を克服し、持続可能な社会を実現するには、政労使があらゆる機会を通じて対話することが重要である。

賃金は労働の対価であると同時に、経済や社会基盤を支える財源でもある。雇用形態にかかわらず、すべての働く者が安心・安全に働くことのできる環境整備であり、分配構造の転換につながり得る賃上げが必要である。

 

(2)2021連合春闘の具体的取り組み

@社会全体で雇用の維持・創出に取り組み、セーフティーネット機能の強化

A消費者マインドにプラスワン

 ⇒日本のGDPの6割は個人消費が占めていることから、商品やサービスに込められた価値を共有し合うことで、必要以上に消費を冷え込ませない環境づくりが極めて重要であることを、働く者の立場から社会に呼びかけていく。

Bサプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配

C賃金水準闘争を強化していくための体制整備

D春季生活闘争を通じた組織拡大の取り組み

⇒組織化は労使交渉の大前提であり2021 春季生活闘争がめざす働く者の「底上げ」「底支え」「格差是正」の実現に不可欠である。

 

(3)2021連合春闘の具体的な要求指標

 

目 的

要求の考え方

率・額

底上げ

産業相場や地域相場を引き上げていく

定昇相当分+引き上げ率(→地域別最低賃金に波及)

定期昇給相当(賃金カーブ維持相当)分2%の確保を大前提とし、それぞれの産業における最大限の「底上げ」に取り組み2%程度の賃上げとする

格差是正

企業規模間、雇用形態間、男女間の格差を是正する

・社会横断的な水準を額で示し、その水準への到達をめざす

・男女間格差については、職場実態を把握し、改善に努める

 

規模間

雇用形態間

目標水準

30歳 :256,000

35歳 :287,000

・昇給ルールの導入

・勤続17年・時給1,700円・月給280,500円以上となる制度設計をめざす

最低到達水準

企業内最低

賃金協定

1,100円〜

30歳:235,000

35歳:258,000

企業内最低賃金協定

 :1,100円〜

底支え

産業相場を下支えする

企業内最低賃金協定の締結、水準引き上げ(→特定(産業別)最低賃金に波及)

・企業内のすべての労働者を対象に協定を締結する

・締結水準は、生活を賄う観点と初職に就く際の観点を重視し、「時給1,100円以上」をめざす

 

3.2021自治労春闘

(1)2020賃金確定闘争の状況

2020自治体確定闘争は、コロナ禍に伴う民間給与実態調査の実施の遅れの影響により、人事院、人事委員会の勧告・報告が大幅に遅れるなど、異例のスケジュールのもとで取り組むこととなりました。

 県本部は、2020年民調と人勧の遅れに伴い、2020自治体賃金確定にかかる日程等が相当タイトになることから、924日に開催した第5回執行委員会で確定闘争の方向性を提起し、1022日の第71回県本部定期大会で方針を決定し取り組みを進めました。

【人事院勧告】

10月 7日 一時金の支給月数を0.05月(期末手当)引き下げ1028日 月例給の改定を見送る報告(官民較差▲0.04%・▲164円)

 

(2)自治労春闘の位置づけと公共サービス労働者の役割 〜「1年のたたかいのスタートは、春闘から」〜

@自治労春闘の位置づけ

 春闘を年間の闘争サイクルのための重要なたたかいとし、組織の強化や単組活動の活性化を念頭に、「参加する春闘」を標榜し、組合が職場実態を把握し、組合員の声を要求書に反映し交渉を進めます。

 コロナ禍による企業業績悪化、自治体財政悪化等を背景に、2021自治体予算編成は相当厳しく、自治体労働者の賃金環境も相当厳しくなることは必至の情勢です。このような時だからこそ、組合員の生活を守るため、人勧期、確定期を見据えながら、2021春闘に取り組みます。

Aコロナ禍の下での地域公共サービス労働者の役割

 新型コロナウイルス感染症は、私たちの日常に大きな変化をもたらし、これまでの「当たり前」が劇的に変わり、人びとの生活を維持するために不可欠のサービスを担う労働者を示す「エッセンシャルワーカー」という用語が広く知られました。まさに、自治労組合員は「エッセンシャルワーカー」であり、同時に、それらの職場の多くが慢性的な人員不足であり、さらにコロナ禍で労働者の担う業務が過重になっています。パンデミックのような社会全体に及ぶ規模で危機的状況に陥った際、すべての人が平等に公共サービスを享受できることは社会秩序の維持のために不可欠です。コロナ禍によって公共サービスを軽視する新自由主義的な政策の破綻が世界的に露呈しており、公共サービスの重要性が改めて顕在化しました。日本における、一方的な公務バッシングと民営化・無理な人員削減に共通するものです。

2021春闘で、今こそ良質な公共サービスの確立と、それに携わる労働者の処遇改善をめざし、すべての単組で要求−交渉を実施します。

 

(3)春闘に取り組むことでの組織強化 〜参加する春闘〜

 コロナ禍において組合活動も大きな影響を受けています。このような時だからこそ組合員の悩み・不安に寄り添うことが組合に求められています。組合員に寄り添うこと。すなわち組合員に声をかけること。小さな単位での職場集会など、各単組で創意工夫をし、組合員の意見を集め職場実態を把握し、それらをもとに要求書を作成し交渉を実施します。あわせて、新規採用者・再任用(再雇用)、会計年度任用職員に対しても「一人一声」をかける運動を展開し組合加入を進めます。

 コロナ禍で組合に対する期待が高まっている今こそ、春闘からしっかりと取り組みます。

【要求−交渉−妥結】

 すべての単組で、要求‐交渉−妥結のプロセスを実行します。

身近な職場環境などの要求を盛り込み、労使交渉による改善実績を積み上げることを意識します。労使交渉により前進した課題、継続協議となった課題等を整理し、機関紙や職場集会等の開催で組合員と共有化します。とくに要求書作成、交渉に若手組合員の参加を求め、担い手としての経験の積み重ねを意識します。

また、健全な労使関係を構築していくことが労働組合の役割であることから、「労使関係ルールに関する基本要求書」の提出を徹底し、基本的な労使関係のルールを確立します。

 

4.公務職場の賃金・労働条件改善

(1)賃金改善

@賃金改善の基本的な考え方と取り組み

ア.春闘は賃金闘争の一年のスタート 

民間春闘の結果が人勧、確定に影響することから、私たちも積極的に参加します。

春闘期から、実態と課題の把握、要求の取りまとめと要求書の提出、労使交渉に取り組みます。

イ.「1単組・1要求」

すべての自治体単組で、給与実態を十分に把握・分析し、具体的な運用改善について労使交渉に取り組みます。また、単組の独自課題の解決もすすめます。

ウ.人事評価結果

労使合意に基づかない賃金への反映は行わないことを徹底するとともに、賃金への反映を行う場合には、人材育成や長期的なモチベーションの向上も踏まえて対応することを基本に、上位昇給区分の原資を活用した賃金水準の確保などをめざします。

エ.コロナ禍を背景とした給与カットがあった場合の対応 

現時点では大変稀ですが、2021年度予算編成において、税収減等を理由に給与削減提案が行われる可能性も否定できません。給与カットは、コロナ禍の下で住民にとって不可欠なサービスを提供する職員の士気低下につながるものです。労働条件の変更・決定にあたっては労使での十分な交渉・協議と合意を基本とする必要があり、財源不足への対応として安易に職員給与の引き下げを求めることや、一方的な提案や形式的な協議、さらには議員提案による給与削減については、自治労全体として、引き続き反対の取り組みを進めます。

  財源不足への対応として、引き続き各自治体から政府への要請を強化するとともに、コロナ禍の下で不実施または減額となる事務事業の洗い出しや、急を要さない事務事業の休止や縮小など見直し等により財源確保するよう求めます。

A改善にむけた具体的な到達目標の設定

 例)ラスパイレス指数98.9で、30歳の平均給与月額が250,000円(3−14相当)の自治体

1) 100÷98.91.011(「ラス逆数」)

2) 現行の平均給料月額に1.011を乗じた金額を目標とする

3) 30歳の給料250,000円×1.011252,750円(「目標賃金」)

4) 達成するためには、30歳で3−16253,500円)に到達する必要があることから、運用改善として2号上位をめざす

  

ア.到達目標(ポイント賃金)

 30歳 248,775円(国公行()3−13水準、249,400)

35歳 293,807円(国公行()3−40水準、294,300)

40歳 343,042円(国公行()4−43水準、344,800)

   上記の到達目標は、2017年実施の賃金実態調査を基準に、賃金PT報告に基づく算出方法により設定しています。具体的には、2006給与構造改革により引き下げられた4.8%と、2015給与制度の総合的見直しにより引き下げられた2.0%を加えた6.8%に、2017年度賃金実態調査における実在者中央値に乗じて算出しています。

イ.「ラス逆数」から算出した率を運用改善の具体的目標

ウ.組合員の到達級について、係長・同相当職の4級到達、課長補佐・同相当職の6級到達を指標に、賃金水準の維持・改善を進めます。

エ.すべての在職者が定年まで昇給が可能になるよう、号給の延長を求めます。

オ.男女間、自治体間、職種間、常勤職員・非常勤職員間などに存在する賃金格差の解

消を求めます。

 

B自治体最低賃金

  自治体最低賃金

月額165,900円(国公行()1級17号)以上、日給8,300円(月額/20日)以上、時給は1,070円(月額/20/7時間45分)以上

  2020年度の最低賃金(202010月発効)は、東京都1,013円、神奈川県1,012円、全国加重平均902円となりました。

骨太方針2020において「より早期に全国加重平均1,000円になることをめざすとの方針を堅持する」とされており、連合方針も、生活を賄う観点と初職に就く際の観点を重視し、すべての労働者で時給1,100円以上をめざすとしています。

 一方、現在の国公の高卒初任給は時給換算すると925円(月額150,600円(国公行()1級5号)月162.75時間で算出)と、辛うじて最低賃金の全国加重平均を上回っていますが、政府がめざす1,000円に及ばない水準にあります。人材確保等の観点からも、自治体で働く労働者の最低賃金、初任給のあり方等について見直していくことが課題となっています。

C初任給

 人材確保等の観点からも、初任給の引き上げを求め、引き続き、国公行()の初任給基準の8号上位をめざします。

D再任用者の賃金

ア.再任用者の給料表、一時金の引き上げを求めます。

イ.定年の引き上げを見据えて、再任用者が担っている業務実態等にあわせ、上位級を適用するなど賃金水準の引き上げを求めます。

E昇給区分の運用

 昇給への勤務成績の反映については、労使交渉・協議、合意を前提とし、拙速な反映を行わないことを基本に、以下により対応することとします。

ア.4号給を超える昇給区分については、8号給5%、6号給20%相当とし、公平な運用によって賃金水準を確保するよう求めます。 

イ.50歳台後半層職員の昇給抑制と昇格制度の見直しに対しては、過去の55歳昇給停止を改めた経過と理由を追及し、拙速な見直しは行わないよう求めます。モチベーションの維持・向上のため、少なくとも標準で2号以上の昇給、また号給の延長などを求めます。

F一時金

ア.期末・勤勉手当の割り振りについては、期末手当の割合に重点を置くこととし、勤勉手当への成績率の一方的な導入、および成績率の拡大を行わないことを求めます。

イ.国公においては、人事評価結果の下位評価者への勤勉手当の成績率の引き下げ、分限処分の厳格化などの運用見直し、人事院規則の改正が行われ、2020年秋より施行されています。評価基準など人事評価制度の設計ならびに運用実態は自治体ごとにさまざまであり、下位評価者の割合が極端に少ない国公とは異なることから、機械的に国どおりの見直しを行わないよう交渉・協議等で確認します。

G時間外勤務手当

 月45時間超、60時間以下の時間外勤務手当の割増率の引き上げを行うよう求めます。また、時間外勤務手当財源を確保し、不払い残業の撲滅に取り組みます。

Hその他諸手当

ア.特殊勤務手当については、国公の手当の種類および額を最低として、改善を求めます。国公に存在しない業務や給料表の適用の差異により、必要性が認められる業務に対しては手当が支給できるよう必要な条例・規則等の改正を行うよう求めます。とくに防疫等作業手当については、人事院規則が改正され、新型コロナウイルス感染症対策に従事した職員に対する手当支給について適切に取り扱うよう総務省通知が出ています。こうしたことも踏まえ、業務実態に照らし支給すべきと判断される業務に対しては、関連する手当も含め、積極的に手当の新設または適用拡大、手当の増額を求め、遡及適用とするよう求めます。

イ.生活関連手当の支給における世帯主要件や男女間で取り扱いが異なる規定がある場合は見直しを求めます。

 

(2)会計年度任用職員等の処遇改善と組織化

 会計年度任用職員の処遇は、常勤職員との均衡・権衡といった法改正の趣旨を十分に踏まえた処遇となっていない現状となっています。特に、病気休暇、子の看護休暇等については、7割を超える自治体で無給となっている実態が明らかになりました。

自治体の職員全体に占める会計年度任用職員の割合は、制度調査において全体平均で38.3%、とりわけ一般市(県都・政令市除く)で42.9%、町村で44.6%に達しており、自治体行政運営は会計年度任用職員抜きでは成り立たないと言っても過言ではありません。常勤職員を含めた自治体労働者総体の賃金・労働条件の底上げをはかっていくためには、会計年度任用職員の組織化に取り組むことが大変重要です。

 「会計年度任用職員制度の整備状況チェックリスト」を活用し、給料(報酬)や手当をはじめとする労働条件全般の点検、課題の洗い出しを行います。

@給料(報酬)および諸手当

自治労の自治体最低賃金、月給165,900円(国公行()1級17号)以上、日給8,300円(月額/20日)以上、時給1,070円(月額/20日/7時間45分)以上を最低とし、常勤職員との均等・均衡を基本に支給を求めます。

A給料(報酬)の決定

職務給の原則、均衡の原則等に基づき初任給の基準、学歴免許・経験年数による調整について、常勤職員と同じ基準によって行うよう見直しを求めるとともに給料(報酬)格付けの上限の撤廃を求めます。

B休暇制度

労働基準法で定められる年次有給休暇、産前産後休暇等の制度化はもちろんのこと、無給とされている休暇についても同一自治体における常勤職員との権衡に基づき有給とすることを求めます。また、要件を満たす職員には育児休業、介護休暇等を適用させます。

C6月以上勤続(見込み)・週勤務20時間以上の職員については、健康診断およびストレスチェックを実施させます。

D要件を満たす会計年度任用職員の社会保険及び労働保険の適用を確実に行うようにします。とくに202210月から要件を満たす短時間会計年度任用職員の短期給付・福祉事業が地方公務員共済制度の適用となることから、時給制、日給制の職員については掛け金算定等の事務を簡素化し安定的に行うためにも月給制とすることを求めます。

E短時間会計年度任用職員(とくに週35時間以上勤務)について、業務実態に即した勤務体系としてフルタイム会計年度任用職員への移行を求めます。

勤勉手当については、国家公務員の非常勤職員については支給されていることを踏まえ、常勤職員と同月の期末手当の支給を達成している単組は積極的に求めます。

 

(3)職場からの働き方改革

@働き方改革をめぐる基本的考え方

公務職場における労働条件は、この間の恒常的な人員不足に加え、コロナ禍や頻発する大規模災害への対応による長時間労働の深刻化等により、厳しさを増しています。地域公共サービスを支える労働者の労働条件の改善は、安定的に地域住民の命と生活を守ることにつながるといった観点も踏まえ取り組みを進める必要があります。

 長時間労働の是正、労働条件の改善といった観点から検証、点検を行い、労使交渉・協議に取り組むとともに、実態に見あった人員の確保を求めることが重要です。

テレワーク導入にあたっては事前に労使交渉を行い労働条件等の確認を行うとともに、職員の希望を尊重(前提と)することとします。また、すでに制度を実施している場合については職員へのヒアリング等で実態把握した上で、労働条件の改善を求める必要があります。

 一部住民からの度を越えた要求、クレームといった、いわゆるカスタマー・ハラスメントがコロナ禍において顕在化しています。カスタマー・ハラスメント対策として2020年6月より施行された労働施策総合推進法等において「事業主が行うことが望ましい取り組み」とされているものの、総務省調査によれば各自治体における対応状況は約2割と低位にとどまっています。雇用管理上講ずべき措置とされているパワー・ハラスメント対策とあわせて対応が求められます。

 

A公務職場における労働条件の確保

 総労働時間の短縮および36協定の締結にむけて以下の通り取り組みます。

ア.厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」、本部作成の「適正な労働時間管理のための職場チェックリスト」を踏まえ、交渉・協議と合意により、すべての労働者の始業・終業時間や休日労働の正確な実態を把握できる労働時間管理体制を構築します。

とくにテレワーク等においては、時間外労働は原則行わないこと、時間外労働を行う場合であっても事前命令を徹底することとします。また、労働時間の管理が難しいことからパソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を始業・終業時間の把握に用いることなどにより、適正に労働時間を管理させることとします。

イ.時間外勤務手当財源を確保し、不払い残業の撲滅に取り組みます。

ウ.条例・規則が定める上限時間を踏まえ、36協定または36協定に準ずる書面協定を締結します。とくに、労働基準法「別表第一」に該当する事業場において、協定の締結なく時間外労働が行われている場合は、法令違反にあたります。長時間労働の是正に加え、法令順守の観点からも速やかに36協定の締結にむけ労使交渉などに取り組みます。取り組みの推進にあたっては、本部作成の「36協定のてびき」(公務のための「0からはじめる36協定」)を活用します。

エ.条例・規則が定める時間外労働に関する上限時間は、長時間労働の是正が目的であることに鑑み、その運用状況を以下の点から点検し改善します。時間外労働の実態を明らかにさせ、恒常的な時間外労働が命じられている職場においては、業務量に応じた適切な人員配置等、縮減にむけた実効性ある取り組みを求めます。規則等により設定された上限時間との差が生じている場合は規則改正により上限時間を引き下げるとともに、職場ごとに36協定等により締結した上限時間の引き下げを求めます。

 「他律的業務の比重が高い職場」として設定された業務・部署等を明確にするとともに実態を点検し、その縮小・廃止に取り組みます。

   上限時間を超えて時間外労働を命じることができる「特例業務」については、その業務(大規模災害、新型コロナウイルス感染症対応など)に関し交渉・協議を行い、労働協約または書面協定として締結します。なお、「特例業務」として上限時間を超える時間外労働が行われた場合は、労使で当該勤務にかかる要因の整理、分析・検証を遅くとも半年以内に実施します。

オ.安全衛生委員会において、労働時間の短縮に関する年間行動計画の策定を求めます。

また、毎月の時間外労働の実態を個人別・職場別に報告させるとともに、とくにいわゆる過労死基準といわれる月80時間を超える場合や、時間外労働が常態化している職場についてはその要因を明らかにさせるとともに具体的な対応策を示すよう求めます。

カ.長時間労働を行った職員に対する医師による面接指導など健康確保措置の強化を求

めます。とくに1月80時間超の時間外労働を行った職員については、申出の有無にかかわらず医師による面接指導を実施することを確認します。

キ.職場単位で、欠員や減員の現状、年間の勤務時間・時間外労働、年休・代休の取得の状況やテレワークの実態等を把握・分析し、業務量や任務分担の見直しを求めるとともに必要な人員の確保に取り組みます。

職員の健康とワーク・ライフ・バランスの確保のため以下の取り組みを進めます。

ク.年次有給休暇の完全取得にむけ、一層の計画的使用促進に取り組みます。とくに、改正労働基準法等を踏まえ、年休の5日未満取得者の解消をはかります。

ケ.勤務間インターバル制度の導入にむけ、労使協議を行います。あわせて、災害時等における連続勤務時間について制限を設けることを追求します。

コ.治療と仕事の両立支援、障害を持つ職員の視点から、休暇制度・勤務時間制度の導入と改善に取り組みます。とくに不妊治療休暇を有給で創設するよう求めます。また、リフレッシュ休暇など、労働者の生涯設計に応じた各種休暇制度の新設・拡充にむけ取り組みます。

サ.高年齢者の多様な働き方を確保する観点から高齢者部分休業制度の条例化を求めます。すでに条例化されている自治体においても、制度の活用拡大にむけた周知などを求めます。

シ.職場における新型コロナウイルス感染症防止のための換気の徹底、飛沫感染防止のための備品の購入等、実態に応じた職場環境の改善をはかります。

 

B定年延長の実現と再任用制度の改善を求める取り組み

 本部の作成するモデル要求書を活用し、定年引き上げにむけた交渉・協議を行います。定年引き上げ実現までの間は、フルタイムを基本とした再任用制度を確立・運用し、再任用を希望する定年退職者全員の雇用確保と労働条件の改善を求めます。

 

Cハラスメント防止の取り組み

ア.パワー・ハラスメントについて、厚労省の指針に基づく雇用管理上の措置義務とされている項目(就業規則等の整備、窓口の設置等)について点検を行い未措置の場合には、速やかな対応を求めます。また、セクシュアル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント等についても同様に措置義務とされる項目の点検を行うとともに、実効性を確保するための具体的な取り組みを追求します。

イ.カスタマー・ハラスメントについては厚労省の指針において対応を行うことが望ましい取り組みとされています。また、人事院通知においては使用者の責務として対応をするよう求められていることも踏まえ、国家公務員との権衡を失しないよう防止のための具体的施策を求めます。

 

5.2021春闘期に決着を目指す民間職場等の賃金・労働条件改善

 民間職場等においては、連合の2021春闘方針を踏まえ、賃金・労働条件改善の取り組みを進めます。とくに、賃金改善とともに、長時間労働の是正や法令遵守の観点から、36協定の締結および内容の点検を行うなど、働き方改革にむけた取り組みを強化していくことが重要です。

今春闘においても雇用の確保や賃金・労働条件の改善にむけて取り組みを進めます。

1.公共民間単組

(1)コロナ禍による解雇・雇い止め、賃金カットや労働条件改悪阻止にむけた取り組みを強化します。

(2)賃上げ要求は、2021連合方針を踏まえて、定期昇給相当分2%+引き上げ率2%あわせて4%程度とし、具体的には「賃金カーブ維持相当分4,500円+賃金改善分6,000円」以上を要求の基準とします。

(3)2021春闘において掲げる自治体最低賃金(月額165,900円以上、日給8,300円以上、時給1,070円以上)の確保をはかります。ただし、時給については、連合方針を踏まえ、1,100円以上をめざします。

2.全国一般栃木地方労組

(1)賃上げ要求は、全国一般2021春闘調査をもとに、連合の中小組合の取り組み方針を踏まえ、「平均賃上げ要求13,500円以上(賃金カーブ維持分4,500円+生活維持・向上分7,200円以上+格差是正・歪み是正分1,800円)」とします。

(2)賃金・労働条件の点検を各職場で行い、就業規則・労働協約の改善にむけた取り組みを進めます。

(3)コロナ禍の影響を理由とした賃下げや解雇・雇い止めを認めず、粘り強く交渉に取り組みます。

 

6.エッセンシャルワーカーの重要性と課題

  〜「公共サービスにもっと投資を!」キャンペーンの展開〜

(1)地域公共サービスの質を守るための人員確保

   「万人が平等に恩恵を享受する」ことを基本原理とする公共サービスは、90年代から、「競争」を至上命題とする新自由主義的な考え方が世界を席巻する中で、「最も非効率なもの」として捉えられ、それを市場原理のもとで「より安上がりで置き換え可能なものに変える」ことが主張されるようになりました。これにより、公共サービスは、各地で民営化や投機の対象とされるようになる一方、サービスの質や普遍性は考慮されない事態が続いてきました。

   2020年コロナ禍の中、公共サービスの従事者たちは懸命な努力を重ね、人々の生命を守り基本的な市民生活を保障するために奮闘しました。しかし、中長期にわたってサービスの質と量が軽視されてきた結果、日本国内も含めて、とりわけ新自由主義的な政治や行政が横行してきた地域においては、必要十分なサービスの提供ができない事態も現出しています。一方、このことが、公共サービスを含む「エッセンシャルな(必要不可欠な)」仕事・業務・サービスの重要性、必要性を、市民に再度認識させることになったともいえます。

  このような現状分析のもと、感染症をめぐるたたかいが当面は続くこと、あるいは、日本が「災害大国」であること等も踏まえ、仮に緊急の事態が起きたとしても、十分な対応ができる基盤づくりこそが今求められているといえます。改めて、地域住民の安全・安心の確保にむけ、持続可能な公共サービスを提供・拡充するため、公共サービスに対する財政的基盤の確保と、そのもとでの処遇改善・人員確保を一体的に取り組む必要があります。

  総務省の地方公共団体定員管理調査結果によると、地方公務員総数は、1994年の328万人をピークに、集中改革プランなどにより減少を続けてきました。2015年には地方公務員の一般行政職員数、2017年から地方公務員総数が増加に転じたものの、現在も274万人にとどまり(ピーク比:54万人減)、この間の人員削減と多様化する行政ニーズに対応するにはあまりに不十分な体制です。

  現在の体制では感染症の再拡大や、自然災害等が発生した際に、住民の命とくらしを守るという地方自治体の基本的な役割を果たすことさえ難しく、人員確保と人材育成を含めた体制の強化が急務であるといえます。

  公立・公的医療機関の安定した医療体制の提供のための取り組みを継続します。

  保健所は、地域保健法の成立から広域化と規模縮小が進められ、コロナ禍で限界に達しています。今後の感染再拡大などの事態にも対応可能な体制整備を求め、人員確保や人材育成などに取り組みます。

  介護職は、恒常的な人材不足の中、コロナ禍により負担が大きくなっています。利用者はもちろん、職員も安心して働くことができる職場環境をめざし、労働条件の向上と人員確保をこれまで以上に強く求めていきます。

   保育・学童保育職場について、早急に配置基準を見直した上で、必要な人員増に取り組んでいく必要があります。

清掃職場では、積極的な社会インフラの維持に貢献してきたことが注目されました。現業・公企統一闘争を中心とした人員確保の取り組み強化が求められます。

給食職場は、給食事業の重要性を住民とともに考えるなど人員確保の取り組みの強化が求められます。

 

(2)そのための自治体財政の点検と要請行動

2021年度以降は税収が大幅に減ることが予想され、税収減による支出の見直しや、世論による公務員賃金の引き下げの圧力なども考えられます。私たちの賃金・労働条件を守るため、自らの自治体の財政状況について、調査・把握していくことが重要です。

  改めて、今春闘を自治体財政の点検のスタートと位置づけ、当局の予算・決算状況について確認し、春闘期から人員確保、確定闘争へと、年間を通じて地方財政を意識した運動の展開をめざします。

 

(3)「公共サービスにもっと投資を!」キャンペーンの全国展開

@ なくてはならない仕事としての公共サービスと公共サービス労働者(エッセンシャルワーカー)について、コロナ禍のもとに限らない重要性と存在価値をさらに社会一般に浸透するために取り組みます。

A その取り組みの中から、税収不足や財政難を理由とした一方的な人件費削減ではなく、処遇改善や人員確保による公共サービスの充実が必要であることを世論に訴えて共有化をはかります。

B 「参加する春闘」の一環として、アピール動画の作成や地域アピール行動などあらゆる場面での現場組合員の参加をよびかけます。また、動画の共有化等によって、全国の組合員の連帯と仲間意識の醸成をはかります。

 

(4)地域へのアピール行動

  県本部は、「公共サービスにもっと投資を!」をスローガンにエッセンシャルワークの重要性や公共サービス拡充の必要性を訴えるため、本部作成の動画を活用しながら地方連合会などと連携し取り組みます。

 

(5)「職場からのアピール動画」の募集

  本部が主催する、単組の職場・仕事の紹介を兼ねた「職場からのアピール」動画の募集に参加し、コロナ禍での職場の現状や抱える課題について加盟組合間での共有化をはかります。

  単組は、組合員の参加による一言アピールなどの手法により職場や仕事を紹介する「職場からのアピール」動画を制作します。

 

7.春闘の全体日程

(1)全体日程

2月1日(月)連合2021春季生活闘争・闘争開始宣言中央総決起集会

1月29日(金)〜2月10日(水)スト批准投票

2月12日(金)スト批准投票 単組から県本部へ報告期限

2月10日(水)〜18日(木)要求書提出ゾーン

2月19日(金)県本部第一次統一行動日

3月10日(水)〜18日(木)統一交渉ゾーン

3月12日(金)公共サービスにもっと投資を!地域へのアピール行動

3月16日(火)〜18日(木) 民間大手のヤマ場

3月19日(金)県本部第二次統一行動日(自治体単組)

3月26日(金)県本部第三次統一行動日(公共民間単組)

 

()2021春闘における単組・県本部の取り組み

@闘争体制の確立にむけた取り組み

 ストライキ批准投票は、年間を通じて一波につき2時間を上限とするストライキを含む闘争指令権を中央闘争委員会に委譲することについて、組合員の承認を求めるものであり、すべての組合員が投票し、高い批准率とすることにより、組合の団結の意思を示すことが必要です。

◇スト批准投票日程

1月29日(金)〜2月10日(水)スト批准投票

2月12日(金)単組から県本部へ報告期限

 

◇「要求−交渉−妥結(書面化・協約化)」にむけた取り組み

 すべての単組は「要求−交渉−妥結(書面化・協約化)」のサイクルを確立し、要求・交渉を実施することを徹底します。2021春闘の基本的考え方を踏まえた共通課題と要求モデルをもとに職場討議を行うだけでなく、各種チェックリスト等に基づいた課題の洗い出しや把握、職場点検を実施し、これらを踏まえた要求書を提出します。

 

単組は、現場実態に則した要求や「要求モデル」を活用した各種要求の提出、回答の獲得をめざし、当局に回答を迫ります。また、「労使関係ルールに関する基本要求書」の提出と、当局との「協定書(確認書)」の締結をめざします。

219日の県本部第一次統一行動日は、コロナ禍を考慮し、要求書を提出したことを周知する機関紙配布を行います。ただし、職場オルグが可能な場合は、職場オルグを優先します。

 第2次、第3次統一行動日においても、交渉・妥結状況を職場オルグ、機関紙で

組合員に周知します。

 2021春闘「319全国統一行動指標」

<自治体単組>

@生活向上のため、運用見直しも含めた積極的な賃金改善をはかること。

A賃金・労働条件の変更にあたっては、十分な労使交渉・協議と合意を前提とすること。

B会計年度職員等の雇用の安定と処遇改善をはかること。

C職員の健康を守るため、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策を実施・拡充すること。

D地域公共サービスの維持・改善のため、積極的な人員確保を進めること。

<民間労組>

@組合の要求に基づき、積極的な賃金改善をはかり、早期に実施すること。

A賃金・労働条件の変更にあたっては労働組合との合意を前提とすること。

B「同一労働・同一賃金」の観点から、不合理な賃金格差を是正し、非正規労働者の雇用の安定と処遇改善をはかること。

C過重労働と人手不足の解消をはかり、時間外労働を縮減すること。

Dコロナ禍を理由とした解雇・雇止めを行わないこと。

 

U 当面の闘争方針

1.職場の権利と勤務条件を確立する取り組み

(1)コロナ禍における職員の安全確保

 コロナ禍においても、私たちは、安心の公共サービスを提供しています。私たちエッセンシャルワーカーが業務で新型コロナウイルス感染症に感染することがないよう予防策を求めるとともに、感染した場合の職場復帰対応などを求めます。

 また、今後実施されるワクチン接種業務は自治体が担うことになります。これまで経験したことのない全住民を対象とした事業であり、現場での混乱は想像に難くありません。そこに従事する仲間の安全衛生、勤務時間管理の徹底を求めます。

 

(2)定年引上げにむけた取り組み

国家公務員の定年を引き上げる「国家公務員法等の一部を改正する法律案」は、第201回通常国会で審議入りしましたが、検察庁法改正案に対する世論などから法案は廃案となりました。一方、「地方公務員法の一部を改正する法律案」については、国会の会期末処理において継続審議の取り扱いが確認されています。

  政府は国公法改正案の第204回通常国会への提出をめざしており、自治労は、公務労協に結集し、協力国会議員とも連携をはかりつつ、定年引き上げの実現にむけ、政府、国会等への対策に全力をあげていきます。また、総務省に対しては、国に遅れることなく地方においても定年引き上げが実施できるよう必要な対応を求めます。

単組は、法案成立を見据え、下記の点について職場討議を行うなどして課題を洗い出すとともに、協議を行います。

@ 高齢になっても働き続けられる職場環境の整備にむけて、60歳超職員の知識、技術、経験等をいかす職務内容・配置について職場討議を行い、当局と意見交換を行うなど、それぞれの職種・職場実態に応じた検討を進めます。

A 新設される定年前再任用短時間勤務制度への任用は、あくまで職員の希望した場合に限っての取り扱いであることを確認するとともに、地方公務員に適用される、高齢者部分休業制度を含め職務や給与の取り扱いなどを周知するよう求めます。

B 60歳以降管理職のポストから外す役職定年制については、すべての自治体で導入することとされています。役職定年により降任した職員の職務、配置について検討します。あわせて、中堅層職員の昇任を遅らせないため、役職段階ごとの人員分布や定数の取り扱いなど柔軟な対応を求めます。

C 役職定年の例外措置については、条例で別途定めることができるとされています。例外措置を設けるかどうか、またどのような場合に例外措置を適用するかなどについて、自治体の職員の年齢構成、人事管理上の課題等に応じて検討することが想定されますが、例外措置はこれまでと同様に真に必要な場合に限り定めることとし、安易に例外措置を定めることや、拡大されることのないよう要求します。

D 定年引き上げ開始後も組織の新陳代謝を確保するため、現行の条例定数の見直しや柔軟な運用により、計画的な新規採用を確保するよう求めます。また、人員確保闘争における職場実態の点検状況を踏まえ、会計年度任用職員の正規職員化も含めた、必要な人員の確保を求めます。

定年引き上げ実現までの間は、フルタイムを基本とした再任用制度を確実に運用し、再任用を希望する定年退職者全員の雇用確保と労働条件の改善を求めます。

  また、定年の段階的引き上げ期間中においては、60歳超の常勤職員と暫定再任用職員が混在することとなるため、再任用職員の働き方や職務・級の格付けなどについても見直しを求めます。

 

(3)人事評価制度への対応

国では、202010月から勤務成績の不良な職員に対する対応について改正し、@C評価の職員も原則として分限処分(降任・降給)の対象とする、AD評価への分限処分プロセスを早期化することとしました。総務省はこれを受け、事務連絡を発出しましたが、参考送付にとどめた上で、各自治体の実情に応じて評価結果の適切な活用をはかるようにとしています。

 人事評価制度の設計ならびに運用実態は自治体ごとにさまざまであり、下位評価者が極端に少ない国公とは異なることから、単組においては、国どおりの分限処分の厳格化が導入されることのないよう交渉・協議等で確認します。

  人事院規則が改正され、202012月期から、人事評価結果の下位評価者の勤勉手当の成績率が引き下げられました。国と地方の人事評価制度の運用実態が異なることを指摘しながら、機械的に国どおりの見直しとならないよう、交渉・協議を行います。

  定年の段階的引き上げを前に、総務省が人事評価結果の活用(勤勉手当、昇給、昇任・昇格、分限)について一層圧力を強めてくることが想定されます。政府の国会答弁等で「管理運営事項の処理の結果、影響を受けることがある勤務条件については交渉の対象になる」との考え方が確立していることから、改めて、評価結果の活用は給与・処遇等に影響を及ぼすため交渉事項であるということを労使で確認します。

  その上で、制度導入から実際の運用・検証まで労働組合としてしっかり関与し、人材育成やモチベーションの向上に資する制度とすることを基本に、上位昇給区分の原資を活用した賃金水準の確保などをめざし、早急に公正・公平な運用の確立に取り組みます。

 

(4)退職手当の見直しにむけて

  国家公務員の退職手当については、概ね5年ごとに行う民間の企業年金および退職金の実態調査を踏まえて見直すこととされています。本年、その調査を行う可能性があることから、調査の実施にあたっては、民間の状況を精確に把握する内容となるよう、人事院に求めます。

 

(5) 安全衛生の確立と快適職場づくり

  7月を安全衛生強化月間として、労働安全衛生の確立と快適職場づくりに取り組みます。

   パワー・ハラスメントをはじめセクシャル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント等について、事業主の講ずべき措置が労働施策総合推進法等で定められていることから、当局に対して法令、指針等を踏まえた対応を求めます。

   カスタマー・ハラスメントについて、当局に対し組織的に対応することを基本に、対応ルールの確立、体制整備等を求めます。

 

(6)男女平等職場の推進

 男女平等の実現は持続可能な社会を築くための基盤であり、組織の活性化の要です。そのためには、ジェンダーバイアス(無意識を含む性差別的な偏見)や好意的性差別、固定的性別役割分担意識を払拭し、差別のない職場環境と意識の醸成を促進していくことが重要であり、各単組は、以下のとおり進めます。

@ 両立支援の促進

A 職場の中の格差是正

B ハラスメントの一掃

 

(7)失職特例条例の制定を求める取り組み

 地方公務員法第28条に基づく失職の特例を認める条例の制定を求めます。

 

(8)改正地方自治法に対応した条例の制定を求める取り組み

2020年4月に施行された改正地方自治法で、地方公共団体の長や職員等の地方公共団体に対する損害賠償責任について、職務の遂行において善意でかつ重大な過失がないときは、賠償責任額の上限を定め、それ以上の額を免責することを条例で定めることができることになりました。損害賠償責任について、政令で示された上限基準に沿って、職員の賠償の上限額を条例化することを求めます。

 

(9)公正労働実現のための取り組み

高度プロフェッショナル制度については、長時間労働を助長し、過労死等を招く危険性があることから制度自体を職場に導入させないよう取り組みを進めます。

2021年4月から、中小企業にも改正パートタイム・有期雇用労働法が適用されます。

「同一労働同一賃金ガイドライン」を活用し、賃金をはじめとした労働条件の総点検を行うとともに、不合理な労働条件の解消・是正を求めます。

政府が進めようとしている「解雇の金銭解決制度」導入や、企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大など、労働規制を緩和する動きについては引き続き反対し、連合に結集し取り組みます。

厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が2020年9月に改定され、所定労働時間の通算や割増賃金の支払い義務などに関する考え方が示されました。

兼業・副業が認められているパートタイム型の会計年度任用職員について、割増賃金の支払義務が生じる場合があることについて当局に確認を求めていきます。

また、複数就業者に対する労災保険の給付算定において複数事業場の賃金が合算されること、複数事業場における業務上の負荷を総合的に評価することとされました。

 

2.自治体財政の確立と自治・分権および公共サービス改革の推進

(1)コロナ禍における地方財政対策

  新型コロナウイルス感染症の影響により、国・地方とも税収は引き続き、厳しくなることが予想されます。このため、自治労として地方財政の確立にむけ、減収補てん債の対象税目の拡大を求めてきましたが、2020年度限りの措置として地方消費税等が税目に追加されました。

新型コロナウイルス感染症対策の一環として、政府は2020年度の固定資産税について徴収猶予や軽減措置を行いましたが、2021年度においても固定資産税の上昇が見込まれるすべての土地の課税額を据え置くとしています。コロナ禍にあってやむを得ない面はあるものの、固定資産税は市町村税収の約4割を占める基幹税であることから、本部の取り組みに結集します。また、2020年度第3次補正予算では「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」1.5兆円の確保や「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」の増額が見込まれていることから、引き続き、本部の取り組みに参加します。

 

(2)2021地方財政の確立と公共サービス改革に対する取り組み

 政府は1221日、2021年度政府予算案を閣議決定しました。地方の一般財源総額は交付団体ベースで2020年度を0.2兆円上回る62.0兆円、地方交付税は2020年度を0.9兆円上回る17.4兆円が確保されるなど、コロナ禍により厳しい税収が見込まれつつも、高い水準が確保されています。また、公務員人件費については、国・地方をあわせて2020年度とほぼ同額の25.5兆円(前年比▲0.1兆円)が確保されていますが、今後、財政難を口実とした人件費の削減圧力が高まることも想定されます。このため、中央・地方それぞれにおける地域公共サービス確立にむけた取り組みを進めます。

  2022年度以降の地方一般財源総額については、例年6月に作成される政府「骨太方針」で方向性が示される見込みです。2019年度から2021年度の地方一般財源総額については、骨太方針2019により、2018年度の地方財政計画の水準を下回らないことが担保されていましたが、2022年度以降の動向は不透明です。

 県本部・単組は2021年度の一般財源総額が一定確保されていることを踏まえ、財政難を理由とした人件費削減や民間委託について、その根拠や妥当性の提示を自治体当局に求めます。

ア.県本部・単組は、各自治体の民間委託・指定管理者制度の導入動向を点検します。

イ.県本部は、財政分析講座を開催し、財政分析を労使交渉・協議に活かす取り組みを進めます。

ウ.県本部は、地方自治法99条に基づく議会決議採択および地方交付税法17条の4に基づく交付税算定に関する意見書提出を推進するため、地方連合会や公務員連絡会構成組織との連携を追求しながら、県、市長会、町村会、各議長会などへの要請に取り組みます。単組は、議会決議採択の6月議会での取り組みを追求します。

 

(3)行政デジタル化に対する取り組み

政府は、行政サービスのデジタル化を一元的に担う「デジタル庁」の2021年9月設置や、国による各自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための計画策定などを見込んでいます。しかし、デジタル化によりめざす社会像さえ一般的に共有化されているとはいい難い上に、地方においては、システムを標準化するため実施できなくなる地方単独事業があり得ること、システム改編に対応する人材の確保が現状においても難しいこと、システム更新のタイミングが個々の自治体で違うため一律のスケジュールで進めることは困難であることなど、多くの問題が予測されます。

また、マイナンバーカードの取得推進について、政府は2023年3月までに、ほぼすべての住民に対する交付をめざすとしています。このため、発行事務における自治体への負荷は一層高まることが予想されることから動向を注視し、本部の取り組みに参加します。

 

(4) 自治研活動の推進

2022年静岡市で開催される第39回自治研究全国集会参加に向けた準備を進めます。

 

3.安心・信頼の社会保障制度

(1)衛生医療職場における新型コロナウイルス感染症対策の取り組み

県本部・単組は、本部が作成した「新型コロナウイルス感染症への対応に関するモデ

ル要求書」を参考に、地域医療・衛生提供体制の確保と、職員の負担軽減・感染防止やメンタルヘルス対策、医療従事者への差別や偏見の防止に取り組みます。

保健所の課題を確認し、体制強化のため職員配置については、最低でも現行地財計画上の保健師数を確保するとともに、他の職種についても実態に応じた人員補充を求めます。

4.環境・平和・人権を確立する取り組み

県平和運動センターの活動を積極的に担います。さらに、戦争をさせない1000人委員会・戦争をさせない全国署名栃木県連絡会議の活動に結集し、取り組みを継続します。

すべての原発の再稼働および新増設に反対し、すべての原発の廃炉を求め、平和フォーラムや市民団体と連携して、その活動に参加します。また、国の進める「特措法に基づく指定廃棄物の最終処分計画」には現時点において問題が多いことから、最終処分計画の見直しを求めます。

連合栃木が取り組む、「食とみどり、水を守る運動」に参加します。

 

5.政策実現にむけた政治活動の推進

(1)各種選挙への対応

 「中道」「リベラル」勢力の拡大にむけ取り組みを進めます。第71回定期大会の第4号議案政治闘争の推進での決定を踏まえ対応します。

@衆議院議員選挙

   自治労栃木県本部推薦議員・候補予定者

   第1区  渡辺 のりよし(立憲民主党)

第2区  福田 あきお(立憲民主党)

   第3区  いが  (ひろし)(立憲民主党)

   第4区  藤岡 たかお(立憲民主党)

   比例代表 立憲民主党

A地方選挙

佐野市議会議員選挙         早川 たかみつ

塩谷町議会議員選挙   しのはら みさお

那須塩原市議会議員選挙 眞壁 俊郎

 

(2)政策実現にむけた政治活動の強化

@当面の政策実現にむけて、自治労組織内・政策協力議員を中心とし、立憲民主党、自治労の政策を理解する無所属の議員との連携を強化します。

A県本部・単組は、政治学習会の開催や、機関紙・誌の活用を通して、政治活動の意義の共有化と、政治活動に関する正確な知識の周知をはかります。とくに、組合執行部・若年組合員に理解を得ることを重視し、政治参加を促進します。

B県本部・単組は、組合員に対し、組織内・政策協力議員等の活動に関して、日常的な取り組みの内容や実績等について情報提供を行います。また、若年組合員・組合役員との意見交換等を実施します。

C県本部・単組は、自治体議員連合をはじめ、各議員との日常的な対話を行います。

D国政選挙、地方選挙などの各種選挙においても連合栃木との信頼関係を基礎に対応します。

 

6.組織強化・拡大の推進

 

「組合活動とは、となりの人に声をかけること」、「機関紙は組合費の領収書」

を合言葉に組織強化・拡大に取り組みます。

新規採用者の100%組合加入を大前提に、再任用者・再雇用者、会計年度任用職員の組合加入を進めます。あわせて、消防職員の組織化を進めます。とくに、定年の引き上げを見据え、再任用者の組合加入・継続の取り組みを重点課題とし推進します。

県本部は、機関会議等で新採・再任用(再雇用)・会計年度任用職員組織化対策を提起するとともに推進の資料等を提供します。

また、春闘など各種取り組み、組織内自治体議員の活動などを伝えるため、『自治労とちぎ家庭版を発行します。


 

7.労働者自主福祉運動の推進

(1)じちろう共済の推進

 民間生保に比べ安い掛金で適正な保障が受けられる「じちろう共済」を推進することで、組合員の可処分所得の向上を図ります。

 退職後の生活設計も見据え長期共済、税制適格年金を推進します。

 マイカー共済は、その優位性から年々契約件数も増えています。さらなる周知を図るため、見積もりキャンペーンの周知・展開を図ります

@団体生命共済の推進

  少人数での学習会などを開催し制度の周知を図ります。これまで推進できていない単組では、まずは執行委員会など単組執行部での理解を進めます。

Aライフステージにあわせた補償の見直し 

死亡・入院保障は、家族構成や年齢などライフステージによって必要額が異なります。毎年、保障を見直すことが出来る「じちろう共済」を活用することで、可処分所得の向上を提案します。

B長期共済、税制適格年金の推進

   退職後の生活設計を見据え提案します。とくに、新規採用者など若年層には、団体生命共済とセットでの推進を図ります。

Cマイカー共済の推進

   見積もりキャンペーンなどを活用し推進を図ります。

 

(2)ろうきん

貯金、融資ともに生活のメインバンクとしての働く者の銀行「ろうきん」の活用を積極的に進め、ろうきん運動を推進します。とくに、給与振込指定を進めます。

他行のATMで引き出した際の手数料が即時キャッシュバックされること、インターネットバンキングを利用した際の振込手数料もキャッシュバックされるなどの、ろうきんの優位性をより積極的に周知します。

 

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